第4回リサーチフロントアワード受賞式に谷本拓教授が出席されました

2016年10月25日にトムソン・ロイター 赤坂オフィスにおいて第4回リサーチフロントアワードの授賞式が行われました。リサーチフロントアワードは、トムソン・ロイター社が主催し、今後飛躍的な発展が期待される先端研究領域を特定するとともに、その領域で世界をリードする日本の研究機関所属の研究者を広く社会に紹介することを目的としています。
先端研究領域および受賞者の選出は、トムソン・ロイターが分類した22の学術分野において、最も高い頻度で引用されている上位1%の論文(高被引用論文)のうち、後に発表された論文と一緒に引用(共引用)されている論文を分析し、最近の被引用数の伸びが著しく上昇傾向にある論文に着目して行われました。
全世界12188件の先端研究領域(リサーチフロント)のうち、谷本教授はモデル生物であるショウジョウバエを用いた、「報酬シグナルとして働くドーパミンニューロン」の研究領域で、顕著な貢献が認められ、リサーチフロントアワードを授賞されました。
授賞式ではクラリベイト アナリティクス(旧トムソン・ロイター IP&Science)アジア代表の長尾氏からのご挨拶や、横浜大学学長 茨木健科学技術振興財団理事長、ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈先生の特別講演、リサーチフロントアワードの分析について引用アナリスト、デービット・ペンドルベリー氏より説明があり、谷本教授に表彰状と盾が授与されました。

谷本教授の研究内容(要約)
「ショウジョウバエ記憶回路の網羅的解析とドーパミン神経機能の解明」
(Neural Circuits for Memory Formation in Drosophila)

脳は、「報酬」や「罰」など「情動を伴う経験」をその刺激を受けた時の環境情報と結び付けて記憶します。この「連合記憶」は「価値判断」の基盤でもあり、そのメカニズムの解明が求められてきました。報酬系に関連するドーパミンニューロンの所在、回路および作動原理には不明な点が多く、情動研究上の大きな障壁となっていました。
谷本教授は、ショウジョウバエの「連合記憶」形成の座として知られる「キノコ体」に注目し、神経回路の網羅的解析や特定の細胞の活動性操作などの優れた研究手法の開発を行いました。それらによって、報酬と罰に関連する回路地図を作成するとともに、それぞれに関連するドーパミン作動神経細胞を見つけ出し、「記憶の形成・読み出し」という回路機能、個体行動までを、従来になかった高い精度で結び付けました。ドーパミンは脊椎動物など種を越えて保存されているため、これら一連の結果は記憶や連合学習など、脳神経科学から医療までに関わる問題に対する研究への糸口となることが期待されています。


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写真左より、長尾正樹氏、谷本拓教授、デービット・ペンドルベリー氏

 

 

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リサーチフロントアワードの表彰状と盾

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