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セルロース分子を“繋ぎ換える”新規酵素 「セルロースエンド型転移酵素(CET)」を発見!

セルロース分子を“繋ぎ換える”新規酵素 「セルロースエンド型転移酵素(CET)」を発見!

2017.04.27 08:53

【発表のポイント】

  • 植物が、成長や免疫、栄養の基礎となる「細胞壁」をつくるための新しいしくみを解明。
  • 地球上最大のバイオマスである植物細胞壁から新規素材を作るための革新的な技術開発の道を拓く。

【概要】
文部科学省科学研究費補助事業である新学術領域研究「植物細胞壁の情報処理システム」の研究プロジェクトの中で、領域代表の西谷和彦教授(東北大学)のグループは、五十嵐圭日子准教授(東京大学)と上田実教授(東北大学)の研究グループと共同で、セルロース(注1)分子をつなぎ換える酵素(注2)を発見し、セルロースエンド型転移酵素(Cellulose Endo-Transglycosylase;CET)と名付けました。CETの発見は、植物の成長や免疫・栄養のしくみに関する従来の考え方を覆すだけでなく、これまで不可能とされていたセルロース分子を植物自身の酵素によって修飾したり改変したりすることが原理的に可能となり、天然セルロース分子を、常温常圧下の、安全な水溶液中で、自在に加工し、付加価値をもった天然素材を創出する道が拓けました。

この成果は4月26日にScientific Reports(www.nature.com/articles/srep46099)に掲載されます。

【図】キシログルカン分子同士、またはキシログルカンとセルロースの繋ぎ換えをおこなう酵素活性(XET, CXE)は、これまでも知られていました。今回シロイヌナズナより発見した酵素は、これまで“あり得ない”とされていたセルロース同士を繋ぎかえる働き(CET活性)をもちます。

詳細(プレスリリース本文)

【論文】
The plant cell-wall enzyme AtXTH3 catalyses covalent cross-linking between cellulose and cello-oligosaccharide

【著者】
Naoki Shinohara(東北大), Naoki Sunagawa(東京大), Satoru Tamura(東北大), Ryusuke Yokoyama(東北大), Minoru Ueda(東北大), Kiyohiko Igarashi(東京大), Kazuhiko Nishitani(東北大)

【雑誌】
Scientific Reports

【DOI】
10.1038/srep46099

Faculty of 1000に選出されました。https://f1000.com/prime/727555546
 

【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 西谷和彦 (にしたに かずひこ)
電話番号:022-795-6700
Eメール:nishitan*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)