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沖縄でも侵略的外来種グリーンアノール 拡大の危険性

沖縄でも侵略的外来種グリーンアノール 拡大の危険性

2017.05.25 10:17

発表のポイント

・特定外来生物であるグリーンアノール(図)は、小笠原諸島において、1960年代に侵入後、急速に数を拡大し小笠原固有の生物の絶滅など大きな影響を及ぼした。
・沖縄島南部では1989年に初めて移入が確認され、那覇近郊では、高密度で生息している場所があるが、現在まで大きな分布の拡大をみせていない。
・系統解析から、沖縄島の個体の移入元は、小笠原への侵入とは別ルートで、フロリダ北部や北米内陸部の集団から移入した可能性が高い。
・移入元となる北米の生息環境をもとに、沖縄島でのグリーンアノールの生息適地を推定した結果、沖縄島全域が生息適地と推測された。
・今後、沖縄島でのグリーンアノールの急速な適応進化、温暖化、市街地拡大による開放環境の増加などにより、分布を急速に拡大する可能性があり、捕獲や捕殺による早急な防除対策の実施が望まれる。

 

研究の背景

 侵略的外来種であり、外来生物法で特定外来生物に指定されているグリーンアノールは、小笠原諸島において、1960年代に侵入後、急速に数を拡大し、小笠原固有の生物の絶滅など大きな影響を及ぼし、世界自然遺産からの登録取消しも危惧されるほど、大きな問題となっています。一方、沖縄島には、1989年に初めて移入が確認され、那覇近郊では、高密度に生息する場所も確認されています。2015年には新たに座間味島でも定着が確認されていますが、その後、沖縄島では全域に分布の拡大をみせていません。今後、グリーンアノールは分布や個体数を拡大する可能性はあるのか。また、現在分布を制限しているものは何か、を明らかにし、今後の効果的な防除対策をたてることが望まれています。

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図.グリーンアノール
写真は小笠原母島で撮影(撮影:森英章)

 

詳細(プレスリリース本文)PDF

 
 
【論文】Factors restricting the range expansion of the invasive green anole Anolis carolinensis on Okinawa Island, Japan 
 
【著者】Suzuki-Ohno, Y., K. Morita, N. Nagata, H. Mori, S. Abe, T. Makino, and M. Kawata
 
 
 

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 河田 雅圭 (かわた まさかど)
電話番号: 022-795-6688
Eメール: kawata*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
ホームページ:http://meme.biology.tohoku.ac.jp/klabo-wiki/(研究室)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
Eメール: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)