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生命科学研究科セミナー 単位認定セミナー(2ポイント) 「ターゲットメタトランスクリプトミクスが解き明かす微生物群集像 〜アンモニア酸化酵素遺伝子ファミリーを例に〜 「Targeted metatranscriptomics reveal a real microbial community–In case of ammonia monooxygenase gene family–」

生命科学研究科セミナー 単位認定セミナー(2ポイント) 「ターゲットメタトランスクリプトミクスが解き明かす微生物群集像 〜アンモニア酸化酵素遺伝子ファミリーを例に〜 「Targeted metatranscriptomics reveal a real microbial community–In case of ammonia monooxygenase gene family–」

2017.05.01 09:00
生命科学研究科プロジェクト研究総合棟1階 第103会議室
生命科学研究科 地圏共生遺伝生態分野 南澤 究 kiwamu*ige.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えて下さい)

講師:伊知地 稔 先生 (東京大学 大気海洋研究所)
日時:2017年5月25日(木) 14時-16時

170525ポスター

要旨:
 Amplicon sequencingやMetagenomics/Metatranscriptomicsは、微生物群集(構造)を把握するための手法として、一般に用いられるようになった。しかし、前者ではPCRのプライマーや反応により、一部の遺伝子しか増幅しないという偏りが問題になる。さらに、Metagenomicsによる研究で、既存のプライマーでは検出できない、門レベルで新規な微生物群集が多数存在するという報告もなされている。後者では、遺伝子の由来生物の分類や機能情報を精度よく注釈付けるのに必要な長さ、それを網羅的に把握するのに十分な数の塩基配列を得るのが難しい。
 本発表では、これらの欠点を克服しうる手法としてのTargeted metatranscriptomicsを、アンモニア酸化および関連遺伝子を対象とし、三陸沿岸から沖合の海域表層から得た海水試料に適用した研究を紹介する。本手法を簡潔に述べると、遺伝子配列データから作製したプローブで、短断片化したDNAもしくはcDNA(逆転写したRNA)をハイブリダイゼーションで分取後に、ショートリードシーケンサーで塩基配列を解読する。
 Metatranscriptomicsによる対象遺伝子の検出率は約0.02%以下であったが、Targeted metatranscriptomicsでは0.72–81.71%(平均50.12%)と飛躍的に上昇した。海洋表層のアンモニア酸化を担う主要な群集として、Nitrosopumilus maritimus-like clusterが全ての測点・深度で本手法によって検出された。また、Comammox(complete ammonia oxidizer)細菌も検出された。対象遺伝子の検出率上昇により群集構造解析に十分な配列数が得られたので、本手法はAmplicon sequencingとMetatranscriptomicsの長所を併せ持った網羅的群集構造解析手法であると結論づけられる。