「いさかい」か「愛の告白」か、を決める脳のスイッチを発見 ―ショウジョウバエでの研究成果―

「いさかい」か「愛の告白」か、を決める脳のスイッチを発見

―ショウジョウバエでの研究成果―

  人と人との巡り会いなくして、社会は成り立たたないでしょう。その行方に、永遠の絆があるのか、それとも因縁の対決が待っているのか、それは成り行き次第かもしれません。一方、動物の世界では、出会いの結末は比較的単純です。雄が雌に出会えば求愛し、雄に出会えば攻撃する、という二者択一が多くの場面で成立します。この二者択一の行動選択はほとんど瞬時になされ、決断を巡る葛藤は稀です。しかし、この即断が正しく行われる脳の仕組みは不明でした。
  東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授と小金澤雅之准教授は、北海道教育大学の木村賢一教授の協力のもと、脳に存在する神経細胞で出来た“二段構えの抑えのスイッチ”が、この即断の鍵であることを発見しました。求愛中枢は、このスイッチの一段目の抑えが解除されるとすぐにオンになる一方、攻撃中枢は一段目のスイッチに続いて二段目の抑えが解除されて初めてオンになるのです。“愛のささやき”へのブレーキは1ステップで効き、“怒りの炸裂”へのブレーキは2ステップで解除されるというわけです。さらに、攻撃中枢と求愛中枢は見た目こそそっくりですが、違う遺伝子の働いている神経細胞からなり、鏡の両面のような関係にあることがわかりました。本研究は、愛と攻撃の進化の理解に一石を投ずるものと言えます。
  本研究成果は、Cell Press(USA)発行の科学誌『カレント・バイオロジー』 (Current Biology) Online版で5月13日 午前1時 (日本時間) に発表されました。

 

 

LC1細胞群が攻撃と求愛を切り替える仕組み

 

詳細(プレスリリース本文)PDF

 

【論文】
The neural circuitry that functions as a switch for courtship versus aggression in Drosophila males. 

【著者】
Masayuki Koganezawa, Ken-ichi Kimura, Daisuke Yamamoto

【雑誌】
Current Biology

【DOI】
http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2016.04.017

 

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