ドーパミン神経の抑制による報酬シグナルの発見-報酬伝達におけるドーパミンの機能多様性-

ドーパミン神経の抑制による報酬シグナルの発見-報酬伝達におけるドーパミンの機能多様性-

食欲や睡眠欲など、欲求が満たされるとき、私たちヒトを含むさまざまな動物種の脳内では、ドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が細胞外に放出され、ドーパミン量の増加が脳内の報酬を伝達します。これはショウジョウバエの脳でも同じです。今回、東北大学大学院生命科学研究科の山方恒宏助教と谷本拓教授らの主導した研究チームは、この一般的な法則とは逆に働くドーパミンの報酬作用を発見しました。研究チームが着目したショウジョウバエの少数の神経細胞は、刺激の無い状態でも自発的に活動しており、その活動の一過的な減少が報酬シグナルとなることを突き止めました。つまり、この神経細胞の活動は、ハエの空腹が満たされた時や「満腹感」に関係するホルモンによって、一過的に抑制されることを見出しました。本成果は、報酬伝達におけるドーパミンの役割の多様性と、ドーパミン神経の「定常状態」の機能的意義を初めて明らかとしたもので、情動の神経基盤を理解する上で重要な知見となります。
本成果は、平成28年12月20日付けで、『PLoS Biology』に掲載されました。

tohokuuniv-press20170104_03.png(A) PAM-γ3神経の形態と(B)糖報酬によるその自発活動の抑制

 

詳細(プレスリリース)PDF

 

【論文】
Suppression of Dopamine Neurons Mediates Reward.

【著者】
Yamagata N, Hiroi M, Kondo S, Abe A, Tanimoto H.

【雑誌】
PLoS Biology

【DOI】
10.1371/journal.pbio.1002586

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助教 山方 恒宏(やまがた のぶひろ)
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(山方)yamagata*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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