分子生命科学専攻 : 遺伝子システム学講座

細胞動態制御 分野

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梅津 大輝
キャンパス 青葉山 キャンパス
連絡先 022-795-6701
E-mail umetsuattohoku.ac.jp

生き物のかたちは様々ですが、異なったかたちをつくるのにも共通の原理があります。最近の研究から、一見異なる形態形成過程にも共通の細胞の性質や決まった分子の特性が用いられていることが明らかになってきました。様々な形態形成の過程で繰り返し用いられる普遍的で重要な細胞や分子の挙動がどのような仕組みで構成されているのか、またどのような使い方によってかたちの違いを生み出すのかという疑問を、ショウジョウバエという小さな生き物を材料に、遺伝学的、分子生物学的に加え、力学的なアプローチも取り入れて解き明かしたいと考えています。

経歴

2000年3月 埼玉大学理学部分子生物学科卒業
2002年3月 東京大学大学院理学系研究科修士課程生物科学専攻修了
2006年3月 東京大学大学院理学系研究科博士過程生物化学専攻修了
2006年4月〜2007年3月 東京大学大学院理学系研究科特任研究員
2007年4月〜2012年2月 Max Planck Institute of Molecular Cell Biology and Genetics, Dresden ポスドク
2012年3月〜2014年1月 Technische Universität Dresden ポスドク
2014年2月〜2016年3月 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(2014年10月より多細胞システム形成研究センターに改称) 研究員
2016年4月より現職

著書・論文

Umetsu D. and Dahmann, C.
Signals and mechanics shaping compartment boundaries in Drosophila.
WIREs Dev Biol, WILEY, 4(4):407-17, 2015

Umetsu, D., Dunst, S., and Dahmann, C.
An RNA interference screen for genes required to shape the anteroposterior
compartment boundary in Drosophila identifies the Eph receptor.
PLOS ONE, PLOS, 9(12): e114340, 2014

 Umetsu, D., Aigouy, B., Aliee, M, Sui, L., Eaton, S., Jülicher F., and Dahmann, C.
Local increases in mechanical tension shape compartment boundaries by biasing cell intercalations.
Current Biology, Cell Press, 24: 1798-1805, 2014

 Umetsu, D. and Dahmann, C.
Compartment boundaries: Sorting cells with tension
Fly, Landes Biosciences, 4:3, 241-245, 2010

Umetsu, D.*, Landsberg, K.*, Farhadifar, R.*, Ranft, J.*, Widmann, T., Bittig, T., Said, A., Jülicher, F. and Dahmann, C.
Increased cell bond tension governs cell sorting at the Drosophila anteroposterior compartment boundary
Current Biology, Cell Press, 19: 1-6, 2009.
* equal contribution

 Umetsu, D.*, Yasugi, T.*, Murakami, S., Sato, M. and Tabata, T.
Drosophila optic lobe neuroblasts triggered by a wave of proneural gene expression that is negatively regulated by JAK/STAT.
Development, The Company of Biologists Ltd, 135: 1471-80, 2008. 
* equal contribution

 Umetsu, D., Murakami, S., Sato, M. and Tabata, T.
The highly ordered assembly of retinal axons and their synaptic partners is
regulated by Hedgehog/Single-minded in the Drosophila visual system.
Development, The Company of Biologists Ltd, 133: 791-800, 2006.

所属学会

日本発生生物学会、日本分子生物学会

最近の研究について

生き物の発生過程ではたくさんの境界がつくられ維持されています。たとえひと続きの組織でも、異なる系譜の細胞が混ざり合わずに境界を作っている場合があります。こういった境界は秩序だった組織を作るためのランドマークとして利用されています。しかしながら、どのような仕組みで細胞の混ざり合いがコントロールされているかは未だに分かっていません。私はこれまでに、ショウジョウバエの組織を用いて、遺伝学、マイクロレーザー切除、ライブイメージング、画像解析、コンピューターシミュレーションなどの手法を組み合わせてこの問題に取り組んできました。細胞が混ざり合わないようにするには、境界で局所的に張力を増加させることが重要であることが分かってきました。現在では、細胞が局所的に張力を高めるメカニズムを分子レベルで明らかにしたいと考えています。また、張力などの力学的な量を細胞がどのように感知し、利用しているかについての研究を展開したいと考えています。

メッセージ

研究を進める上で重要なのは疑問を持つことです。良い疑問はどこから生まれるのでしょうか。それは日々の実験の中から自然と見えてくるものだと思います。顕微鏡や画像解析技術の向上によって、私が学生だった頃には考えられない解像度と精度で生命現象を捉えることができるようになってきました。生きた組織の中で起こるありのままの細胞の振る舞いを観察することで、学生さんが良い疑問を見つけるお手伝いができればと思っています。 

Twitter @TohokuU_Lifesci