生命機能科学専攻 : 脳機能解析構築学講座

脳機能解析 分野

2-14ishizuka
石塚 徹
キャンパス 片平 キャンパス
専攻分野 脳機能解析分野
連絡先 022-217-6209
E-mail ishizukaatm.tohoku.ac.jp
ホームページ http://neuro.med.tohoku.ac.jp/

 専門は分子・細胞神経生物学。最近は,クラミドモナスやボルボックスといった緑藻類に発現する微生物型ロドプシンタンパク質の構造-機能解析を中心に行っています。神経生物学や脳機能解析とは全く縁がなさそうに聞こえますが,オプトジェネティクスとよばれる光を用いた新しい脳神経機能の解析・制御技術に必須のツール(プローブ)開発には欠かすことができない研究です。自らが開発したツールを用いて,ニューロンネットワークの動作原理の研究を進めていきたいと思っています。

経歴

1992年新潟大学理学部卒業。1997年同大学院自然科学研究科修了。
博士(理学)。日本学術振興会特別研究員,科学技術振興事業団
CREST研究員を経て,2002年より現職。

著書・論文
  1. Yawo, H., Asano, T., Sakai, S., Ishizuka, T., 2013. Optogenetic manipulation of neural and non-neural functions. Dev. Growth Differ. 55, 474–490.
  2. Tanimoto, S., Sugiyama, Y., Takahashi, T., Ishizuka, T., Yawo, H., 2013. Involvement of glutamate 97 in ion influx through photo-activated channelrhodopsin-2. Neurosci. Res. 75, 13–22.
  3. Ji, Z.-G., Ishizuka, T., Yawo, H., 2013. Channelrhodopsins-Their potential in gene therapy for neurological disorders. Neurosci. Res. 75, 6–12.
  4. Egawa, R., Hososhima, S., Hou, X., Katow, H., Ishizuka, T., Nakamura, H., Yawo, H., 2013. Optogenetic Probing and Manipulation of the Calyx-Type Presynaptic Terminal in the Embryonic Chick Ciliary Ganglion. PLoS ONE 8, e59179.
  5. Asano, T., Ishizua, T., Yawo, H., 2012. Optically controlled contraction of photosensitive skeletal muscle cells. Biotechnol. Bioeng. 109, 199–204.
  6. 八尾寛,谷本早希,石塚徹,高橋哲郎 (2012), 光電変換タンパク質チャネルロドプシンの動作メカニズム. 生物物理, Vol. 50 (5), 226-229.
  7. 石塚徹,八尾寛 (2012),光を媒体とする脳・神経系への情報入力. レーザー研究, Vol. 40 (4), 254-258.
所属学会

日本神経科学学会,日本生化学会,
Society for Neuroscience(北米神経科学学会)

最近の研究について

 光を用いて脳・神経系の機能を解析したり,積極的にこれらの機能を制御しようという研究において,オプトジェネティクスとよばれる新しい研究手法が注目されている。この研究手法にブレークスルーをもたらしたのが,チャネルロドプシンとよばれる緑藻の一種・クラミドモナスに発現している光受容イオンチャネルである。この光受容イオンチャネルのひとつ,チャネルロドプシン2 (ChR2) をニューロンに発現させて青色光を照射すると,チャネルロドプシンが開口して,細胞内にイオンが流入,脱分極が引き起こされる。これによって電位依存性Na+チャネルが開口して活動電位を発生させることができる....と言うのがオプトジェネティクスの基本的な原理である。
 さて,光照射によって細胞に生じる電流を光電流とよぶが,ChR2の一部の構造をChR1のものと置換すると,野生型ChR2よりも効率よく光電流を生じる改変型チャネルロドプシンが得られた(図中のChRWRとChRFR)。これらを用いると,野生型ChR2よりも効率よく光電流を発生させることが可能になり,オプトジェネティクスツールとしての応用を考えた場合,光によるニューロンの活動性制御のための優れたツールとなる。野生型チャネルロドプシンに様々なアミノ酸置換や改変を施すことで,光電流の大きさ,吸収波長特性,チャネルのON/OFFの早さ,発現効率の良さなどにおいて,多様なチャンネルロドプシンを作り出すことができる。チャネルロドプシンは1分子で光受容とイオンチャネルの機能を実現している極めてユニークな分子であるが,どのようなメカニズムでこの機能を実現しているのか,その詳細はわかっていない。チャネルロドプシンの光受容・イオン透過メカニズムの研究を進めながら,オプトジェネティクスツールへの応用も視野に入れて,透過イオンの選択性において優れたチャネルロドプシンの創出を目指しています。さらにチャネルロドプシンに限らず,古細菌の光駆動イオンポンプの改変などにも挑戦しており,オプトジェネティクス研究のための多様な優れたツール開発も試みています。
 なお,当研究分野ではこれらのオプトジェネティクスツールを用いた様々な応用研究も展開しています。

 (図)オプトジェネティクス研究への応用に最適化されたチャネルロドプシン

Twitter @TohokuU_Lifesci