生命機能科学専攻 : 脳機能解析構築学講座

脳機能遺伝 分野

2-10yamamoto
山元 大輔
キャンパス 片平 キャンパス
専攻分野 行動遺伝学
連絡先 022-217-6218
E-mail daichanatm.tohoku.ac.jp
ホームページ http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/yamamoto_lab/index.html
http://www.jst.go.jp/erato/project/yks_P/yks_P-j.html
http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientist/yamamoto_d/index.html

 虫キチが嵩じて生物学の世界に足を踏み入れ、はや30年。山一つ離れたところに暮らす同種の蝶が、はっきりと違った行動や形態を示すことから、進化は案外手軽に起こるものではないか、その鍵は行動を支配する遺伝子の微細な変化にあるのではないか、と思ったのが今の研究を始めるきっかけでした。

経歴
1978年 東京農工大学大学院農学研究科修士課程修了
1981年 理学博士(北海道大学)
1980-1999年 (株)三菱化学生命科学研究所 脳神経生理学研究室 研究員(退職時 室長)
1981-1983年 米国ノースウエスタン大学医学部 薬理学教室 博士研究員
1994-2000年 科学技術振興事業団 山元行動進化プロジェクト  総括責任者
1999-2003年 早稲田大学 人間科学部 教授(遺伝学)
2003-2005年 早稲田大学 理工学部 教授(遺伝子生物学)
著書・論文

【著書】

『遺伝子と性行動:性差の生物学』(裳華房、2012年)

『行動はどこまで遺伝するか』訳 韓国語版(Baba Publishing Co., 2012年)

『3日で分かる脳』訳 中国語版(主編)(上海技朮文献出版、2012年)

『行動遺伝学入門 動物とヒトの“こころ”の科学』(編著)(裳華房、2011年)

『浮気をしたい脳:ヒトが「それ」をがまんできない』訳 韓国語版(Yu Ri Jang Literacy Agency, 2010年)

『最新応用昆虫学』(朝倉書店、2009年)

『脳を刺激する習慣』(PHP研究所、2009年)

『行動の神経生物学』(訳)(シュプリンガー・ジャパン、2007年)

『性行動制御遺伝子』(編)(先端医学社、2007年)

『浮気をしたい脳』(小学館、2007年)

『行動はどこまで遺伝するか』(ソフトバンククリエイティブ株式会社、2007年)

『男は匂いでえらびなさい』(K.K.ベストセラーズ、2007年)

『昆虫生理生態学』(編)(朝倉書店、2007年)

“Genetics of Sexual Differentiation and Sexually Dimorphic Behaviors.”
(Academic Press, 2007)

“The Neural and Genetic Substrates of Sexual Behavior in Drosophila.” (Academic Press, 2007)

『心と遺伝子』(中央公論、ラクレ新書、2006年)

『睡眠リズムと体内時計のはなし』(日刊工業新聞社、2005年)

『男と女はなぜ惹きあうのか』(中公新書ラクレ、中央公論新社、2004年)

『においと医学・行動遺伝』(フレグランスジャーナル社、2004年)

『女と男の人間科学』(コロナ社、2004年)

『昆虫学大辞典・行動の生得的発達』(朝倉書店、2003年)

『図解雑学 記憶力』(ナツメ社、2003年)

『S. ジョーンズ:超図解 目からウロコの遺伝・DNA学入門』(訳、講談社、2003年)

『老化研究の最前線・ショウジョウバエ遺伝学を用いた老化研究』(シュプリンガーフェアラーク、2002年)

『ニューロシグナリングから知識工学への展開・ショウジョウバエの性指向性を決定する遺伝子』(コロナ社、2002年)

『情報学辞典』(弘文堂、2002年)

『3日でわかる脳』(監修、ダイヤモンド社、2001年)

『ヒトはまず「愛してる!」と叫んだ?』(同胞舎、2001年)

『恋愛遺伝子』(光文社、2001年)

『遺伝子の神秘 男の脳・女の脳』(講談社、2001年)

『行動の分子生物学』(編著、シュプリンガーフェアラーク東京、2000年)

『神に迫るサイエンス・心の遺伝子』(角川文庫、2000年)

『愛は科学で解けるのか』(新潮社、2000年)

『環境昆虫学・ショウジョウバエに夢を追う』(羊土社、1999年)

『脳が変わる』(ひつじ科学ブックス、羊土社、1999年)

『行動を操る遺伝子たち─本能と学習の接点をさぐる─』(岩波科学ライブラリー、岩波書店、1997年)

『脳と記憶の謎』(講談社現代新書、講談社、1997年)

“Genetic and molecular analysis of canoe, a pattern formation locus of Drosophila melanogaster.”
(Basic Neuroscience in Invertebrates, 1996)

“Molecular Dynamics in the Developing Drosophila Eye” (Springer, Heidelberg, 1996年)

『ブレインサイエンス最前線’95・ニューロンの発生運命決定機構の分子生物学』(講談社サイエンティフィク、1994年)

『本能の分子遺伝学』(羊土社、1994年)

 

【論文】

    1.Science 343, 294-297.(2014)
    2.Nat. Commun. 4, 1825-1833.(2013)
    3.PLoS ONE 7, e35640.(2012)
    4.Cell 149, 1327-1338.(2012)
    5.Intern. J. Biol. 4, 20-26.(2012)
    6.Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 109, 249-254.(2012)
    7.Behav. Genet. 41, 746-753.(2011)
    8.J. Neurosci. 31, 5454-5459.(2011)
    9.Neuron 69, 498-508.(2011)
    10.Arch. Insect Biochem. Physiol. 74, 261-265.(2010)
    11.Behav. Genet. 40, 694-705.(2010)
    12.Curr. Biol. 20, 836-840.(2010)
    13.Arch. Insect Biochem. Physiol. 73, 119-127.(2010)
    14.Curr. Biol. 20, 1-8.(2010)
    15.Ann. N. Y. Acad. Sci. 1170, 497-501.(2009)
    16.Science 323, 1740-1743.(2009)
    17.J. Neurogenet. 23, 329-340.(2009)
    18.Arch. Insect Biochem. Physiol. 69, 168-175.(2008)
    19.Neuron 59, 759-769.(2008)
    20.Nature 450, 203-218.(2007)
    21.J. Neurogenet. 21, 59-71.(2007)
    22.PLoS ONE 2, e487.(2007)
    23.Arch. Insect Biochem. Physiol. 64, 157-163.(2007)
    24.J. Neurogenet. 19, 123-141.(2005)
    25.Nature 438, 229-233.(2005)
    26.FEBS Lett. 579, 4131-4137.(2005)
    27.J. Neurogenet. 19, 109-121.(2005)
    28.Genetica 120, 267-272.(2004)
    29.Anesthesiology 99, 867-875.(2003)
    30.J. Neurogenet. 17, 117-137.(2003)
    31.Proc. R. Soc. Lond , Ser B 270, 798-807.(2003)
    32.Cell Death Diff. 10, 798-807.(2003)
    33.Arch. Biochem. Biophys. 413, 207-212.(2003)
    34.Genetics 162, 1775-1789.(2002)
    35.Arch. Insect Biochem. Physiol. 49, 102-107.(2002)
    36.Arch. Insect Biochem. Physiol. 49, 94-101.(2002)
    37.Devel. Dynam. 223, 298-305.(2002)
    38.Gene 275, 195-205.(2001)
    39.Mol. Cell. Biol. 21, 3775-3788.(2001)
    40.J. Neurogenet. 15, 147-168.(2001)
    41.Genetics 157, 727-742.(2001)
    42.J. Biochem. Mol. Biol. Biophys. 5, 31-36.(2001)
    43.Recent Res. Devel. Mol. Cell Biol. 2, 175-191.(2001)
    44.Curr. Genom. 1, 323-338.(2000)
    45.Nature Cell Biol. 2, 500-506.(2000)
    46.Gene 245, 31-42.(2000)
    47.Hereditas 133, 81-83.(2000)
    48.Gene 246, 143-149.(2000)
    49.Hereditas 132, 67-78.(2000)
    50.J. Neurogenet. 13, 213-232.(2000)
所属学会

日本分子生物学会、日本神経科学学会、日本遺伝学会、日本発生生物学会

担当講義

生命科学B(理学部1年生)、生物学へのアプローチ(理学部1年生)、留学生短期プログラム(理学部1年生)、動物行動学(理学部2年生)、生物学演習(理学部3年生)、課題研究・セミナー(理学部4年生、大学院全学年)、共通科目B(大学院修士1年生)、細胞生物学合同講義(大学院修士1年生)、微小脳解析学持論(大学院修士1年生)

最近の研究について

 行動を生み出す遺伝子の実体を捉えることを第一の目標と定めて研究してきました。まるごとの生物個体がつくり出す行動と、一つひとつの遺伝子との繋がりを把握する手段として、単一遺伝子突然変異体に着目しました。突然変異体を得るのが容易なキイロショウジョウバエを材料に選び、性行動の特定の局面にのみ異常を示す突然変異体をまず分離しました。たとえば、雄の同性愛変異体のsatori、雌の雄嫌いが嵩じて不妊になるspinster変異体などです。それらの原因遺伝子をクローニングし、続いて正常型遺伝子を変異体に導入して、行動異常から回復させる実験を行なっています。脳のどの部分がその機能を担っているのかを解明するとともに、哺乳類から対応する遺伝子を同定して、その役割を解析することも進めています。

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雄を追い払うspinster 変異体雌

メッセージ

 私の興味は、生物的自然がこんなにも豊かで多様であるのはなぜか、それがどのようにして生まれてきたのか、というところにあります。それは生態学のテーマであるようにみえますが、私のアプローチは分子遺伝学や神経生物学を土台に据えたものとなっています。動物の行動を分子から細胞、そして個体という全階層にわたって分析することにより、始めて進化の本質が見えてくる、そう考えているからです。生物の面白さを実感してもらうことが、研究と教育の基本であると信じています。

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マウイ島で固有種ショウジョウバエを採集する著者とKen Kaneshiro博士

Twitter @TohokuU_Lifesci