東北大学 大学院生命科学研究科 東北大学 大学院生命科学研究科からのお知らせを掲載しています。 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 東北大学 大学院生命科学研究科 東北大学 大学院生命科学研究科 JST 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の拠点事務局 事務補佐員(時間雇用職員)1名 2024-03-14T13:00:00+09:00 東北大学 大学院生命科学研究科では, JST 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の拠点事務局事務業務を担当してくださる事務補佐員を募集します。   職名:事務補佐員     募集人員:1名   所属部署:東北大学 大学院生命科学研究科   採用予定日:できる限り早期   職務内容:         (1)学内外からのメールおよび電話対応や各種書類作成             (2)ミーティングなどの調整および手配             (3)JSPS等外部研究者受入手続きおよびサポート             (4)JST関連業務(連絡窓口, 書類および情報管理, 計画変更申請手続き, 参加メンバーなどの管理等)            (5)その他, 備品管理, ファイリング, 来客対応など事務作業一般   応募資格:         (1)業務に必要なWord・Excel・PowerPoint・Emailの操作ができること             (2)職務遂行に必要な文書力, コミュニケーション力,  協調性等を有すること             (3)英語での業務遂行(文書作成, メール対応, コミュニケーション等)が可能な方を優先いたします   勤務条件:         (1)任期等:できる限り早期 - 令和7年3月31日             (勤務成績, 予算状況等により, 令和7年度以降も年度毎更新の可能性有。最長5年まで)         (2)勤務時間:週30時間を上限として相談に応じます         (3)休日    土曜・日曜日,  祝日,  年末年始(東北大学の規程による )         (4)休暇    次有給休暇(採用日から6ヶ月経過後付与)特別休暇(リフレッシュ休暇等)         (5)給与    時給1,023円 - 1,313円の範囲内             (本学の関係規程に基づき学歴・職歴・経験等により算定)         (6)諸手当    通勤手当,  超過勤務手当               ※自家用車通勤可能(ただし駐車料金1,000円/月)         (7)社会保険等                  ・社会保険:文部科学省共済組合(短期), 厚生年金, 介護保険(満40歳~)ただし, 各保険の加入要件による。             ・労働保険:雇用保険,  労災保険   勤務地:〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 東北大学青葉山キャンパス    提出書類:         (1)履歴書*(本学指定様式) - 1通 *履歴書ダウンロード             (2)職務経歴書(様式任意) - 1通   書類提出先:上記書類をPDF形式で電子メールにて以下のアドレスにご提出ください             nature_positive_hub@grp.tohoku.ac.jp             ※メールの件名は「拠点事業事務補佐員応募」としてください             電子メールでの提出が難しい場合には書類でご提出ください             〒980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 理学研究科合同A棟             統合生態研究室 鈴木 宛             ※メールの件名は「拠点事業事務補佐員応募」としてください             問合せ: 022-795-6696 (9:00-17:00)    選考方法:         (1)一次選考 - 書類選考*             (2)二次選考 - 個別面接**             * 一次選考後,  合格した方に二次選考の詳細をお知らせいたします             (書類到着後10日前後でご連絡いたします)             ** 面接にかかる交通費は応募者の負担といたします             ** 面接後は個別に選考結果をお知らせいたします   応募締切:適任者の採用が決まり次第,  募集を締め切ります       東北大学は多様性,  公正性,  包摂性(Diversity,  Equity & Inclusion : DEI)を向上させる活動を推進しており, 多様な人材の積極的な応募を歓迎します。 東北大学 DEI 推進宣言 WEB ページ https://dei.tohoku.ac.jp/vision/about/       https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 東北大学 大学院生命科学研究科 JST 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の拠点事務局 事務補佐員 1名 2024-03-14T13:00:00+09:00 東北大学 大学院生命科学研究科では, JST 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の拠点事務局事務業務を担当してくださる事務補佐員を募集します。   職名:事務補佐員   募集人員:1名   所属部署:東北大学 大学院生命科学研究科   採用予定日:できる限り早期   職務内容:         (1)学内外からのメールおよび電話対応や各種書類作成             (2)ミーティングなどの調整および手配             (3)JSPS等外部研究者受入手続きおよびサポート             (4)JST関連業務(連絡窓口, 書類および情報管理, 計画変更申請手続き, 参加メンバーなどの管理等)           (5)その他, 備品管理, ファイリング, 来客対応など事務作業一般   応募資格:         (1)業務に必要なWord・Excel・PowerPoint・Emailの操作ができること             (2)職務遂行に必要な文書力, コミュニケーション力, 協調性等を有すること             (3)英語での業務遂行(文書作成, メール対応, コミュニケーション等)が可能な方は優先いたします 勤務条件:         (1)任期等:できる限り早期 - 令和7年3月31日             (勤務成績, 予算状況等により, 令和7年度以降も年度毎更新の可能性有。最長5年まで)         (2)勤務時間:週5日勤務 (月 - 金)             8:30 - 17:15 (休憩 12:00 - 13:00)          (3)休日    土曜・日曜日, 祝日, 年末年始(東北大学の規程による )         (4)休暇    年次有給休暇(採用日から6ヶ月経過後付与)特別休暇(リフレッシュ休暇等)         (5)給与    日給7,930円~10,176円の範囲内             (本学の関係規程に基づき学歴・職歴・経験等により算定)         (6)諸手当    通勤手当, 超過勤務手当           ※自家用車通勤可能(ただし駐車料金1,000円/月)         (7)社会保険等               ・社会保険:文部科学省共済組合(短期), 厚生年金, 介護保険(満40歳~)           ・労働保険:雇用保険, 労災保険   勤務地:〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 東北大学青葉山キャンパス   提出書類:         (1)履歴書*(本学指定様式) - 1通 *履歴書ダウンロード             (2)職務経歴書(様式任意) - 1通    書類提出先:上記書類をPDF形式で電子メールにて以下のアドレスにご提出ください             nature_positive_hub@grp.tohoku.ac.jp             ※メールの件名は「拠点事業事務補佐員応募」としてください             電子メールでの提出が難しい場合には書類でご提出ください             〒980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 理学研究科合同A棟             統合生態研究室 鈴木 宛             ※メールの件名は「拠点事業事務補佐員応募」としてください             問合せ: 022-795-6696 (9:00-17:00)     選考方法:         (1)一次選考 - 書類選考*             (2)二次選考 - 個別面接**             * 一次選考後, 合格した方に二次選考の詳細をお知らせいたします             (書類到着後10日前後でご連絡いたします)             ** 面接にかかる交通費は応募者の負担といたします             ** 面接後は個別に選考結果をお知らせいたします   応募締切:適任者の採用が決まり次第, 募集を締め切ります   東北大学は多様性, 公正性, 包摂性(Diversity,  Equity & Inclusion : DEI)を向上させる活動を推進しており, 多様な人材の積極的な応募を歓迎します。 東北大学 DEI 推進宣言 WEB ページ https://dei.tohoku.ac.jp/vision/about/     https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 東北大学 大学院生命科学研究科 生態ダイナミクス講座 流域生態分野 助教公募要領 2024-03-13T16:00:00+09:00 東北大学 大学院生命科学研究科 生態ダイナミクス講座 流域生態分野 助教公募要領   選考委員長 植田美那子 拝啓  時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。  さて、東北大学大学院生命科学研究科では、2024年4月1日より生態発生適応科学専攻・生態ダイナミクス講座に『流域生態分野』を新設することになりました。つきましては、宇野裕美(准教授)・牧野渡(助教)とともに流域生態分野の教育研究に携わる、常勤の助教1名を公募いたします。つきましては関係者各位へのご周知とともに、適任者のご推薦のほどお願い申し上げます。   敬具   記   公募内容:助教1名 所属:東北大学・大学院生命科学研究科・生態発生適応科学専攻・生態ダイナミクス講座・流域生態分野 専門分野:流域生態学 職務内容:流域生態学に関連する先進的な研究。東北大学理学部および大学院生命科学研究科における教育・運営にかかわっていただくこともあります。 応募資格:以下に該当する方 必須;生物学・環境学または関係分野の博士もしくはそれと同等の学位を有する、もしくは取得見込みの方。   流域生態分野では、森から川・池・湿地そして海へ至る流域生態系の大自然を丸ごと相手とする科学を推進し、流域の自然の姿を知りたければあの研究室へといわれるような分野の形成を目指します(末尾の参考資料照)。本公募では、他の流域生態分野の教員(准教授:宇野裕美、助教:牧野渡)の専門を補い、協力して、分野としてより網羅的な流域生態学の研究を展開できる方を募集します。研究対象は水中・陸上、植物・動物を問わないものとし、これまでの自らの経験を活かして流域という視野での生態学的研究を行う意欲のある方を求めます。河川・渓畔林生態系の研究・河口生態系の研究・哺乳類鳥類による水辺利用の研究・栄養塩循環と生態系のかかわりの研究・テレメトリーや同位体・集団遺伝などを用いた動物の移動研究など。国際的な視野で自ら最先端の研究を行うとともに、当該分野教員らとも連携して流域に関するプロジェクトを推進する意欲のある方。学生や他の研究者とともに楽しく安全に野外調査を企画遂行することができる方。生態学実習などで実際に生物を扱う実習を実施できる方。   勤務形態:常勤 任期:2029 年 3 月末まで。(再任の可能性あり、最大計8年間まで) 勤務地:東北大学大学院生命科学研究科青葉山キャンパス 待遇:東北大学規定の定めるところによる。 募集期間:2024 年 5 月 10 日まで 着任時期:2024 年 8 月 1 日以降、できるだけ早い時期 応募書類(日本語もしくは英語) (1)履歴書  (東北大学フォーマット https://c.bureau.tohoku.ac.jp/jinji-top/external/resume_cv/を使用) (2)業績目録 (3)研究費獲得状況 (4)これまでの研究概要(A4 で1枚、図の使用可) (5)採用された場合の研究計画と教育に対する抱負(A4 で1枚、図の使用可) (6)DEI に関する経験と考え方、大学の DEI の推進に対する抱負(A4 で1枚)*注 (7)応募者について問い合わせることのできる方(2名)の氏名と連絡先 (8)主要な原著論文3編の PDF *注:多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境の構築のためには構成員一人ひとりがDEI (Diversity, Equity & Inclusion 多様性、包摂性、公正性) への意識をより高めていくことが重要です。『DEI に関する経験と考え方、大学の DEI の推進に対する抱負』は海外では“Diversity Statement”として多くの職場への応募および大学入学にあたり求められているもので、例文などについてはそちらを参照いただけます。応募者のそれぞれの立場での経験および取り組みについて自由に記述してください。 上記(1)~(8)のすべてを 1 つの PDF ファイルにまとめ、選考委員会(下記)宛てにメール添付でご送付ください。受取の確認メールをお送りしますので、2-3日しても確認メールの届かない場合にはお問い合わせください。応募書類は本公募の用途に限り使用し、個人情報は正当な理由なく第三者へ共有することは一切ありません。選考過程で面接をお願いすることがあります。 提出先・問い合わせ先: 東北大学生命科学研究科流域生態分野助教選考委員会 Email:lif-saiyo@grp.tohoku.ac.jp メールタイトルを「流域生態分野助教公募_〇〇○○」(〇〇○○に氏名)としてください。 備考:東北大学では構成員のダイバーシティー向上を推進しており、多様な人材の積極的な応募を歓迎します。本学の両立支援、研究支援等の詳細及び共同参画の取組についてはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進センターWEB(https://dei.tohoku.ac.jp/)を参照ください。構成員のダイバーシティー向上のため、公正な評価に基づき職務に必要とされる能力が同等と認められる場合は、性別・国籍・文化的背景などにおいて少数派に属する応募者を優先的に採用することがあります。   <参考資料> 流域生態分野 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/fields/laboratory.html?id=45420 (4/1以降公開)    自然本来の森から川・池・湿地そして海へ至る流域生態系の成り立ちとは  流域という視点で自然を見ると、物質・生物の動きを通して森・川・海の生態系が密に関連することがわかってくる。森から供給される水、土砂、倒木の動態は川や沿岸の環境を形作る。また、海と川の間を行き来するサケ・アユ・エビ、川と森の間を行き来する水生昆虫・両生類や鳥・コウモリ・哺乳類など、自然の中では実に多くの動物が大移動を繰り広げる。生物どうしの相互作用を通じて、動物の大移動が他の生物にも影響を及ぼす。ダイナミックで多様な流域の自然景観が多様な生物の共存を可能にしている。   「風が吹けば桶屋が儲かる」と捉えられがちな、異なる場所で起きる現象の繋がり。流域生態系はまだまだ分からないことばかり。当分野では緻密な野外観察・調査・そして時には大規模な野外操作実験を行うことで、流域生態系の維持形成プロセスを明らかにしていく。   今はその多くが失われてしまった自然の地形・水の流れ。その中で地球上の生物は適応進化してきた。環境保護・人と自然との共生を考えていくためにも、その前提として本来の自然の中で生き物はどのように生き、相互作用してきたのかを知ることが役に立つ。東西南北、国内外問わず稀少な自然生態系に出向き、多分野融合のアプローチで大自然を丸ごと科学する。   公募要領 PDF https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 分子行動分野の梶山助教がタカラベルモント ミモザ賞を受賞しました。 2024-03-11T09:00:00+09:00 分子行動分野の梶山十和子助教がタカラベルモント ミモザ賞を受賞しました   研究テーマ  「小型魚類の種間比較による求愛行動の神経基盤の解明」   タカラベルモント ミモザ賞 株式会社リバネスが運営する「科学技術の発展と地球貢献を実現する」ことを目指す若手研究者の研究助成プログラム「リバネス研究費」において「タカラベルモント ミモザ賞」を設置し、「美と健康」の実現につながるあらゆる研究を対象としています。       関連リンク タカラベルモント https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」が JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT) 本格型に採択されました 2024-03-06T11:00:00+09:00 【概要】  東北大学大学院生命科学研究科の近藤倫生教授がプロジェクトリーダーを務める「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」昇格審査の結果、本格型として採択されました。  本拠点では、2030年までに自然の劣化を回復基調に転じる「ネイチャーポジティブ」の理念に基づき、アカデミア、金融・ビジネスセクター、自治体、市民等を巻き込んだ包括的なアプローチで、自然を回復させつつ発展する社会構築に向けた国際的な社会変革をリードします。自然の高度な科学的理解に基づく自然の価値の可視化、ネイチャーポジティブに資する基礎・応用研究の促進、自然資本への資金の流れの加速、産業の創出、社会のシステムや制度設計への貢献、専門知識を備え地域で活躍する人材の育成や起業促進等を、一体的かつ効率的に展開していきます。  これまでの「育成型」での成果を元に、来年度からは「本格型」として拠点ビジョンの実現に努めて参ります。       ▶︎ ANEMONE [環境DNAを利用した生物多様性観測網] https://anemone.bio/   詳細(プレスリリース本文)   関連リンク 東北大学 PRWIRE   【問い合わせ先】 東北大学大学院生命科学研究科 特任教授(運営)(氏名)鈴木麻友 TEL: 022-795-6696 / 5790 Email: nature_positive_hub(at)grp.tohoku.ac.jp   東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています       https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 生物多様性保全分野博士課程学生の千葉稔さんが、NHK「ダーウィンが来た!」に制作協力しました。 2024-03-06T09:00:00+09:00 生物多様性保全分野博士課程学生の千葉稔さんが、NHK「ダーウィンが来た!」に制作協力しました。   放送日 NHK総合 3月10日(日)夜7時30分~ 家(うち)のカワイイお隣さん!ヤモリの秘密 https://www.nhk.jp/p/darwin/ts/8M52YNKXZ4/episode/te/JZ21JGYKWX/ https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ イネ科植物が太陽紫外線の下で生き抜くために独自に獲得した仕組みを解明 2024-02-27T11:00:00+09:00 【発表のポイント】 植物にとって、太陽紫外線UV-B(注1)によるDNA損傷(シクロブタン型ピリミジン二量体:CPD)を修復する機能をもつCPD光回復酵素(注2)は必須のタンパク質です。 イネは、CPD光回復酵素のN末端領域の7番目のセリンのリン酸化状態を制御することにより、同酵素を葉緑体に輸送していることを発見しました。 維管束植物(注3)のうちイネ科植物のみが、CPD光回復酵素を葉緑体に輸送してDNA修復を行う仕組みを、太陽紫外線の下で生き抜くための適応戦略の一つとして獲得したことを明らかにしました。 【概要】  植物は、太陽光に含まれる紫外線B(UV-B)による障害を、様々な仕組みで修復しながら生きています。CPD光回復酵素は、UV-Bによる障害の中でも、植物の生育に最も悪影響を及ぼすDNA損傷を修復するタンパク質です。  東北大学大学院生命科学研究科の大竹桃大学院生(学際高等研究教育院 博士教育院生)、日出間純准教授らの研究グループは、イネのCPD光回復酵素はN末端領域7番目セリンのリン酸化状態を制御することで、葉緑体への輸送を調節していることを明らかにしました。さらに、維管束植物の中ではイネ科植物のみが、CPD光回復酵素を葉緑体に輸送してDNA修復を行う仕組みを有していました。これらの結果から、進化の過程でイネ科植物が、太陽光の下で生存するために、CPD光回復酵素を葉緑体に輸送する仕組みを適応戦略の一つとして独自に獲得したことが示唆されました。  本研究成果は、各細胞小器官へのタンパク質輸送の新たな仕組みを解明すると同時に、様々な光環境下で生育する植物における、UV-B防御・生存適応戦略の仕組みの新たな理解をもたらすものです。  本研究成果は、2024年2月12日に植物生理学の専門誌 Plant Physiology に掲載されました。また、本論文は、Plant Physiology の News and Views にも取り上げられ紹介されました。       図1. CPD光回復酵素の各小器官への輸送の仕組み 赤線:疎水性アミノ酸の多いN末端領域、P:リン酸化   【用語説明】 注1.    紫外線B(ultraviolet-B: UV-B) 太陽光の一部であり、280-315 nm の波長の光。UV-Bの大半はオゾン層に吸収されるが、一部は地上に届く。一般的に短波長の光ほど生体への影響が強く、UV-BによるDNA損傷の蓄積は、ヒトでは皮膚がん、植物では生育障害の主な原因となる。   注2.    CPD光回復酵素 紫外線によって誘発されるDNA損傷の1つであるシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)を特異的に修復する酵素である。この酵素は有胎盤哺乳類を除くすべての生物が保有する酵素であり、青色光を利用して修復する。紫外線を含む太陽光の下で生きる植物にとって、重要な酵素である。   注3.    維管束植物 通道組織である維管束をもつ植物の総称。種子植物やシダ植物が含まれ、高等植物とも呼ばれる。     【論文情報】 Momo Otake, Mika Teranishi, Chiharu Komatsu, Mamoru Hara, Kaoru Okamoto Yoshiyama, Jun Hidema* (2024) Poaceae plants transfer cyclobutane pyrimidine dimer photolyase to chloroplasts for ultraviolet-B resistance. Plant Physiology. DOI:10.1093/plphys/kiae060 URL:https://doi.org/10.1093/plphys/kiae060   【紹介記事】 Plant Physiology News and Views:https://doi.org/10.1093/plphys/kiae094   詳細(プレスリリース本文)   【関連リンク】 東北大学     【問い合わせ先】 (研究に関すること) 東北大学大学院生命科学研究科 准教授 日出間純 TEL: 022-217-5690 Email: jun.hidema.e8(at)tohoku.ac.jp   (報道に関すること) 東北大学大学院生命科学研究科広報室 高橋さやか TEL: 022-217-6193 Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp   東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています         https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 東北大学 大学院生命科学研究科 脳神経システム分野 事務補佐員募集 2024-02-22T15:00:00+09:00 東北大学 大学院生命科学研究科 脳神経システム分野では、研究室の事務業務を担当してくださる事務補佐員を募集します。 1. 募集人員: 事務補佐員1名    2. 所属部署: 東北大学 大学院生命科学研究科   3. 職務内容: 研究室事務業務(未経験者も丁寧に指導します)    4.応募資格:   1)書類作成に必要なWord・Excel・PowerPoint・Emailの基本操作ができること  2)職務遂行に必要な文書力、コミュニケーション力、協調性等を有すること   5.雇用期間: 令和6年4月1日以降(応相談)〜令和7年3月31日 (勤務成績・予算状況等により年度毎更新)   6. 勤務時間等: ・週5日(月〜金) 、パートタイム(週20時間~30時間程度) ・年次有給休暇・特別休暇は東北大学の規程による    7. 給与等の待遇: ・本学規程に基づき決定 (時給1,023円〜1,313円程度) ・通勤手当・超過勤務手当を本学規程に基づき支給    ※マイカー通勤の場合は駐車料金として月1,000円を徴収 ・保険:文部科学省共済組合(短期)・厚生年金・雇用保険 (これらは勤務条件による)、労働者災害保険   8. 勤務場所:   東北大学片平キャンパス(青葉区片平2-1-1)、生命科学プロジェクト総合研究棟   9.提出書類: ・履歴書1通(学歴、職歴、写真貼付、メールアドレス明記)履歴書ダウンロード(.xlsx) ・職務経歴書(任意書式)   10. 選考方法: 書類選考後、面接させていただく方にご連絡します。 面接にかかる交通費は応募者の負担とします。 面接後は個別に選考結果をお知らせします。     11. 応募締切: 採用者が決まり次第、募集を締め切ります。   12. 書類提出先・問合せ先: <書類送付先> 〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学 大学院生命科学研究科 脳神経システム分野 ※「職員応募」と明記してください(提出された書類は原則返却いたしません)   <問合せ先> 東北大学 大学院生命科学研究科 脳神経システム分野 TEL:022-217-5052   https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 近藤倫生教授の取材記事がPEAKS MEDIAに掲載されました。 2024-02-21T16:00:00+09:00 近藤教授が取材協力した記事が掲載されました。   PEAKS MEDIA 新たな経営指標「ネイチャーポジティブ」と「生き物の天気図」が果たす役割|ANEMONE   是非ご覧ください。 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 東北大学 大学院生命科学研究科 植物発生分野 特任研究員募集要項 2024-02-21T10:00:00+09:00 拝啓    時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。さて、東北大学大学院生命科学研究科では、以下のように、生態発生適応科学専攻・個体ダイナミクス講座・植物発生分野の、非常勤の特任研究員若干名を公募いたします。つきましては関係者各位へのご周知とともに、適任者のご推薦のほどお願い申し上げます。 敬具 記   概要:当該研究室では植物の旺盛な成長を支える仕組みやその進化の理解を目的とし、コケ、シダ、イネなどを用いた分子遺伝学的研究を行っています。特別推進研究「植物の成長と共生を制御するストリゴラクトンの二面的機能:その起源と進化」課題を遂行する研究員を募集します。   公募内容:特任研究員 若干名   所属:東北大学 大学院生命科学研究科 生態発生適応科学専攻・個体ダイナミクス講座・植物発生分野   職務内容: 以下の研究テーマや関連する研究テーマを独立して担当していただきます。 1.裸子植物におけるストリゴラクトン信号伝達系の分子遺伝学的解析 2.コケ(ゼニゴケ、ヒメツリガネゴケ)のKL信号伝達系の分子遺伝学的解析 3.藻類のKL信号伝達系因子の機能解析   応募資格:以下に該当する方 ・採用時に博士の学位をもつこと。 ・植物を用いた分子生物学の知識、実験経験をもつこと。   応募締め切り:採用者が決まり次第、募集を締め切ります。   勤務形態: 裁量労働制(8:30~17:15)、休⽇(⼟曜⽇、⽇曜⽇、祝⽇、年末年始(12 ⽉ 29 ⽇〜1 ⽉ 3 ⽇))   雇用期間:出来るだけ早い時期〜令和7年3月31日(雇用開始時期は応相談)(年度毎更新)   勤務地:東北大学 大学院生命科学研究科 片平キャンパス   待遇: 年俸制(給与額は経験年数、業務実績等に応じて決定)、通勤手当支給その他、本学規程等に基づく。   応募書類: 以下を電子メールで提出 1)    履歴書(本学所定様式、写真貼付) 履歴書ダウンロード(.xlsx) 2)    業績目録(原著論文、総説、学会発表) 3)    これまでの研究の概要および今後の抱負(A41枚程度) 4)    照会可能な方2名の氏名と連絡先と応募者との関係 上記(1)~(4)の全てを1つのPDFファイルにまとめ、経塚 淳子(junko.kyozuka.e4@tohoku.ac.jp)宛てに電子メールで御送付ください。応募書類は本応募の用途に限り使用し、個人情報は正当な理由なく第三者へ開示することは一切ありません。   問い合わせ先: 〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学 大学院生命科学研究科 植物発生分野 教授 経塚 淳子 E-mail: “junko.kyozuka.e4@tohoku.ac.jp”、Tel: 022-217-5710   備考:選考過程で面接をお願いすることがあります。   ・東北大学は多様性、公正性、包摂性(Diversity, Equity & Inclusion : DEI)を向上させる活動を推進しており、多様な人材の積極的な応募を歓迎します。     東北大学 DEI 推進宣言 WEB ページ https://dei.tohoku.ac.jp/vision/about/ ・雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第 8 条に基づき女性教員の在籍率を改善するための措置として、公正な評価に基づき職務に必要とされている能力が同等と認められる場合は、女性を優先的に採用します。 ・学生および教職員が学業・研究・職務の遂行において、多様な性を尊重する環境を実現することを目的として、その方針と具体的な対応の内容を示した「東北大学-みんなが主役-多様な性に関するガイドライン」を制定しています。     ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターWEB ページ https://dei.tohoku.ac.jp/vision/consulting/for_minority/ ・東北大学には全学教職員が利用できる川内けやき保育園(定員 22 名)及び青葉山みどり保育園(定員116 名)の他、大学病院所属の職員等が利用できる星の子保育園(定員 120 名)があり、全国の国立大学の事業所内保育施設として最大規模の保育環境が整っています。 また、大学病院内に軽症病児・病後児保育室もあり、全学教職員が利用できます。 ・その他、男性教職員の育児休業等促進策も含めた本学の両立支援、研究支援等の詳細及び共同参画の取組については、下記 URL をご覧ください。     ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進センターWEB ページ     https://dei.tohoku.ac.jp/vision/consulting/for_family/     人事企画部 WEB ページ      https://c.bureau.tohoku.ac.jp/jinji-top/external/a-4-kosodate/   本研究科および当該分野に関する詳細は、以下のホームページをご覧ください。 ・東北大学大学院生命科学研究科のホームページ https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ ・植物発生分野のホームページ http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/PlantDev/   以上   https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 田中良和教授、渡辺正夫教授、令和5年度「仙台市理科特別授業」への貢献で仙台市教育委員会より感謝状 2024-02-20T17:00:00+09:00 田中良和教授、渡辺正夫教授に対して、令和5年度「仙台市理科特別授業」への多大なる貢献ということで、令和6年2月14日に感謝状が贈呈されました。   「仙台市理科特別授業」とは、小学校理科教育の充実を図ることを目的とし、企業や大学等の研究者や退職教員等の社会人講師が小学生対象に授業を実施するものです。授業は、理科に関する学習事項と実社会、実生活とのつながりを実感できる内容及び単元の学習を発展させる内容を行います(仙台市教育センターHPより引用)。   田中教授は2年連続、渡辺教授は9年連続の感謝状の贈呈となります。     関連リンク 植物分子育種分野 https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ インダゾールとカルボン酸の直接アミド化反応 〜シンプルかつ実用的な合成法〜 2024-02-20T11:00:00+09:00 【発表のポイント】 インダゾールは医薬品の構造に含まれる重要な化学構造です。 アミドは生体分子や天然物、医薬品などの構造中に普遍的に存在する極めて重要な化学結合です。 独自に開発した反応条件を用いて、インダゾールとカルボン酸のアミド化反応をワンポットで実現しました。 本手法は、反応性の低い基質同士をシンプルな方法で繋ぐ強力な手法であり、創薬化学研究の発展に大きく貢献すると期待できます。 【概要】  アミドは、生体分子や天然有機化合物、医薬品などの構造中に普遍的に存在する極めて重要な化学結合です。そのためアミド結合形成のための方法はこれまで数多く開発されてきました。しかしインダゾールとカルボン酸とのワンポット縮合反応による直接的なアミド結合形成反応(注1)はこれまで報告例がありませんでした。この反応で合成できる生成物の中には、医薬品候補として期待されている有用な化合物群が知られています。そのため、インダゾールとカルボン酸を用いた直接的なアミド形成反応の新技術の開発が求められています。  東北大学大学院生命科学研究科の梅原厚志助教と佐々木誠教授はこれまで、反応性の低い窒素求核剤とカルボン酸をワンポットで簡便に結合させる新規のアミド結合形成反応(DMAPO/Boc2O反応条件)(注2)を独自に開発してきました(参考文献1)。今回、この方法を応用して、インダゾールとカルボン酸の化学選択的ワンポットアミド形成反応を実現しました。この成果は、インダゾールとカルボン酸を簡便かつシンプルにつなぐことができる強力な方法を提供するものであり、創薬化学研究の貢献に大きく期待できます。  本研究成果は、2024年2月14日付で有機化学の専門誌European Journal of Organic Chemistryにオンライン掲載されました。       注1.    カルボン酸のワンポットアミド形成反応: ワンポットとは、複数の反応を一つの反応容器で行うこと。効率性の観点から望ましい方法である。カルボン酸とアミンからワンポットでアミド結合を形成するには、カルボジイミドやウロニウム系の強力な縮合剤を用いるのが定法である。 注2.    DMAPO/Boc2O反応条件: DMAPO = 4-ジメチルアミノピリジンN-オキシド、Boc2O = 二炭酸ジ-tert-ブチルの略。反応性の低い窒素求核剤とカルボン酸をone-potで簡便に結合させる新規のアミド結合形成反応である。本反応は、反応性の低い求核剤の求核的な活性化とカルボン酸の求電子的な活性化を一つのフラスコ内で同時に効率よく行っている。   【参考文献】 1. 2023年2月7日付東北大学プレスリリース 2023年2月7日 『反応性の低い窒素求核剤とカルボン酸の高効率化学選択的one-pot縮合反応の開発 〜創薬化学研究に貢献する新たな一手〜』   Atsushi Umehara,* Soma Shimizu, Makoto Sasaki. (2023) DMAPO/Boc2O-Mediated One-Pot Direct N-Acylation of Less Nucleophilic N-Heterocycles with Carboxylic Acids. ChemCatChem 15, e202201596. DOI:10.1002/cctc.202201596     【論文情報】 Atsushi Umehara,* Soma Shimizu, Makoto Sasak (2024) DMAPO/Boc2O-Mediated One-Pot Direct N1-Acylation of Indazole with Carboxylic Acids: A Practical Synthesis of N1-Functionalized Alkyl Indazoles. European Journal of Organic Chemistry. DOI:10.1002/ejoc.202400123 URL: https://doi.org/10.1002/ejoc.202400123   詳細(プレスリリース本文)   【問い合わせ先】 (研究に関すること) 東北大学生命科学研究科 助教 梅原 厚志(うめはら あつし) TEL: 022-217-6214 Email: atsushi.umehara.e3@tohoku.ac.jp http://sasaki-umehara-lab.moon.bindcloud.jp/   (報道に関すること) 東北大学大学院生命科学研究科広報室 高橋 さやか(たかはし さやか) TEL: 022-217-6193 Email: lifsci-pr@grp.tohoku.ac.jp   東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 倉永英里奈教授が第40回井上学術賞を受賞しました 2024-02-15T11:00:00+09:00 組織形成分野の倉永英里奈教授が第40回井上学術賞を受賞しました。 井上学術賞は自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満の研究者に対し、贈呈されます。 研究題目:組織構築過程における集団細胞移動の作動原理の解明       関連リンク 公益財団法人井上科学振興財団 生命科学研究科 組織形成分野     https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 植物発生分野の小松助教の「紫千代萩賞」受賞が決定しました。 2024-02-14T14:00:00+09:00 植物発生分野の小松愛乃助教の2023年度東北大学優秀女性研究者賞「紫千代萩賞」受賞が決定しました。 小松先生は3月19日(火)に開催される「国際女性デー記念 第7回東北大学紫千代萩賞受賞講演会(対面・オンライン ハイブリッド開催)」にて研究紹介を行われます。   紫千代萩賞 趣旨・目的 東北大学において優れた研究を展開する女性研究者に対しその活躍を讃えることで、研究意欲の一層の増進に繋げ、世界トップリーダーとなるような女性研究者の育成を目的とします。同時に、本賞の授与により女性研究者の活躍を促進することで、本学の研究環境のDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、多様性と公正性及び包摂性)を高め、優れた研究成果の創出に繋げることを目的とします。   関連リンク 東北大学DEI推進センター https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 説明のつかない不安感の正体 手綱核アストロサイトによる神経活動制御の解明 2024-02-14T11:00:00+09:00 【発表のポイント】 手綱核(注1)という脳内の神経核は、ほとんどすべての脊椎動物に見られる古い脳構造で、意欲や認知機能において重要な役割を担っています。 ガラス玉が敷き詰められた不安な環境にマウスを置くと、手綱核のアストロサイト(注2)内の脳内環境が変動することを光計測(注3)を使って示しました。 この手綱核アストロサイトの活動を光を使って操作(注4)すると、不安レベルが調整されることを示しました。 本研究により、手綱核アストロサイトの活動が、不安の程度を左右することが示され、不安障害(注5)の新たな治療戦略が示唆されました。 【概要】  私たちは、えも言われぬ不安感に襲われることがあります。これは潜在的な危険を無意識に察した結果と言えます。したがって、適度な不安は生存に有利ですが、不安が過剰になると適応障害にもつながります。  東北大学大学院生命科学研究科の譚婉琴(たんえんきん)大学院生(学際高等研究教育院 博士教育院生)、松井広(こう)教授らのグループは、実験動物のマウスを用いて、脳の手綱(たづな)核のアストロサイトが不安の程度を左右することを発見しました。ガラス玉(マーブル)を床一面に敷き詰めた環境に置かれたマウスは不安(ブルー)になります。このような不安環境(注6)のもとでは、手綱核でシータ波(注7)の神経活動が生じ、アストロサイトの細胞内pHは酸性化することが分かりました。そこで、手綱核アストロサイトのpHを人為的にアルカリ化に光操作すると、シータ波の神経活動が弱まり、マウスの不安レベルも緩和されました。手綱核アストロサイトの活動制御が不安障害の新たな治療戦略となることが期待されます。  本研究成果は2024年2月10日付で著者校正版が神経科学の専門誌 Neuroscience Research 誌に掲載されました。   図1. マーブル・ブルーの不安感。これまで見たことのないガラス玉(マーブル)は、マウスを不安(ブルー)にさせます。マーブル覆い隠しテストでは、いくつのマーブルを床敷きの中に隠すかを調べますが、抗不安薬を投与すると隠す数が減ることが知られています。ところが、床一面にマーブルを敷き詰めると、マーブルを隠しようもなくなるので、マウスは強い不安感に襲われると考えられます。この時の手綱核を調べると、シータ帯域の神経活動が誘発されていました。そこで、光刺激によって手綱核のアストロサイトをアルカリ化してみると、シータ帯域神経活動が減弱しました。手綱核アストロサイトの活動は、不安の程度を左右する役割があることが示唆されました。 ※図示のマウスは写真ではなく絵であり、研究状況のイメージになります。   注1.    手綱核: 手綱核とは、脳の中心部に位置し、前脳からの入力を受けて脳幹に情報を伝達する中継核です。外側手綱核(LHb)からは、吻側内側被蓋核(RMTg)に神経投射があることが知られています。RMTgには、抑制性GABA作動性の神経細胞が多くあり、ドーパミン神経細胞のある腹側被蓋野(VTA)とセロトニン神経細胞のある縫線核(RN)を抑制します。したがって、外側手綱核の神経活動が上がると、VTAとRNの神経活動が抑制され、ドーパミン神経系とセロトニン神経系の両方の活動が下がり、不安様行動につながる可能性が考えられています。手綱核は、逃避不能な足や尻尾へのショック、母性剥奪、社会的敗北ストレスなど、様々な負の情動刺激によって活性化されます。近年は、うつ病の責任病巣としても注目を浴びており、抗うつ薬の作用機序としても、手綱核での作用が重要な役割を果たしていることが示唆されています。 注2.    アストロサイト: 脳を構成する細胞の種類で、神経細胞とは異なるものは総じてグリア細胞と呼ばれます。従来、グリア細胞は、脳の隙間を埋めるノリのような存在と考えられてきましたが、グリア細胞には脳内のエネルギー代謝やイオン環境を制御する機能があることが示されてきました。特に、アストロサイトは、グリア細胞の中で一番多く存在し、脳内の血管と神経細胞の両方に突起を伸ばしていることがあることが知られています。アストロサイトは、神経細胞とは異なる方法で、脳内情報処理に関わることも明らかにされてきており、脳と心の機能におけるアストロサイトの役割に大きな注目が集まってきています。 注3.    光計測: 脳深部に光ファイバーを刺し入れて、蛍光信号を計測する方法をファイバーフォトメトリー法と呼びます。本研究では、細胞内のCa2+やpHに応じて、蛍光特性が変化する蛍光センサータンパク質を、脳内アストロサイトに人工的に遺伝子発現させたマウスを用いました。なお、当研究室では、細胞内Ca2+をセンス(検出)するように設計された蛍光センサータンパク質でもpHの影響を受け、局所血流量の変動はあらゆる蛍光に影響を与えることを示してきました。本研究では、これらの影響を選り分ける工夫が施された新手法が用いられています。また、今回、新たに、アルブミンとmScarlet蛍光タンパク質を融合させた分子を肝臓で発現させ、これを血液中に循環させる仕組みを使い、局所血流量を直接計測する方法も用いました。複数の指標を組み合わせ、最大4波長の蛍光を計測する方法を開発しました。 注4.    光操作:光に応じて細胞の状態や機能を変化させるタンパク質を、特定の細胞に遺伝子発現させることにより、光照射で細胞の活動を制御する技術のことを光操作法と呼びます。また、この技術は、光遺伝学またはオプトジェネティクスとも呼ばれます。本研究では、古細菌に発現する光感受性のアーキロドプシンタンパク質(ArchT)を、アストロサイトに特異的に発現させた遺伝子改変マウスを用いました。ArchTは、光により活性化すると、細胞内から細胞外にH+イオンを排出するため、細胞内は、過分極するとともにアルカリ化します。 注5.    不安障害: さまざまな原因により、強い不安や緊張感によって生活に支障が出てしまう状態の総称です。主な不安障害には、全般性不安障害、社会不安障害、強迫性障害とパニック障害があります。 注6.    不安環境: ヒトやマウスなどの動物が、潜在的な危険を感じる環境のことを不安環境と呼びます。例えば、ヒトにとっては、暗い屋外や高い場所などが不安環境に相当します。なお、足への電気刺激(フットショック)などが与えられる環境は、実際の脅威となるので、フットショックが与えられたことのある環境に対して生まれる感情は、「恐怖」と定義されます。一方、高所などは、それ自体では脅威とはなっておらず、潜在的な危険に過ぎないので、潜在的な危険に対して生まれる感情は「不安」と考えられており、「恐怖」とは区別されています。 注7.    シータ波: 多くの脳神経細胞の電気的な活動が電極まで伝わって記録されるものを脳波、もしくは、局所フィールド電位と呼びます。脳波の周波数を解析することで、睡眠や覚醒、てんかん等の脳病態等に相関するいくつかの脳状態を高精度に測定し、診断をすることができることが知られています。今回、手綱核に挿入した電極から記録される局所フィールド電位の波形に含まれる5 – 10 Hzの周波数成分に注目しました。この周波数成分はシータ波(一般的には、4 – 8 Hz程度と定義されています)と呼ばれます。この他、デルタ波(0.5 – 4 Hz)など、いくつかの周波数帯域での振動活動が観察され、それぞれ異なった生理学的な意義を有すると考えられています。   【論文情報】 Wanqin Tan, Yoko Ikoma, Yusuke Takahashi, Ayumu Konno, Hirokazu Hirai, Hajime Hirase, Ko Matsui* (2024) Anxiety control by astrocytes in the lateral habenula. Neuroscience Research DOI:doi.org/10.1016/j.neures.2024.01.006 URL: https://doi.org/10.1016/j.neures.2024.01.006   【研究者情報】 東北大学大学院生命科学研究科 教授 松井 広 研究者    https://researchmap.jp/komatsui/ 研究室    http://www.ims.med.tohoku.ac.jp/matsui/   詳細(プレスリリース本文)   【関連リンク】 東北大学     【問い合わせ先】 (研究に関すること)  東北大学大学院生命科学研究科  教授 松井 広(まつい こう)  TEL: 022-217-6209  Email: matsui(at)med.tohoku.ac.jp   (報道に関すること)  東北大学大学院生命科学研究科広報室  高橋 さやか(たかはし さやか)  TEL: 022-217-6193  Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp     東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 2/19NHK「ヒューマニエンス40憶年のたくらみ」に高橋助教と有本教授が出演されます。 2024-02-14T09:00:00+09:00 NHK「ヒューマニエンス 40憶年のたくらみ」 「“ミトコンドリア” 最も古く 最も大切な友人」   分子情報化学分野の高橋大輝助教と有本博一教授がインタビュー取材を受けました。   NHK BSプレミアム4K:2月19日(月) 午後10時~午後11時 NHK BS:2月20日(火) 午後6時~午後7時 https://www.nhk.jp/p/ts/X4VK5R2LR1/schedule/ https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 世界脳週間イベント2023「サイエンス・カフェ」オスとメスの「恋ごころ」の違いを脳の仕組みから考える 2024-02-08T09:30:00+09:00 https://sites.google.com/view/braincentury2023 近藤研究室の取組がアステリア株式会社とキーウェアソリューションズ株式会社のHPにて紹介されました。 2024-02-07T11:30:00+09:00 近藤倫生教授が主催する研究室の取組が、アステリア株式会社とキーウェアソリューションズ株式会社のウェブサイトに掲載されました。     【リンク】 水中の遺伝子情報から生物多様性を観測する「環境DNA調査」のデジタル化 採水地点の位置情報や調査日時などの記録を自動化!データ登録工数が約60%削減 アステリア株式会社 プレスリリース 事例導入 キーウェアソリューションズ株式会社 ニュースリリース 導入事例   https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ 2024年3月1日 小椋利彦教授退職記念講演(加齢研研究員会主催 ) 2024-02-06T14:30:00+09:00 https://www.idac.tohoku.ac.jp/site_ja/event/18773/ 令和5年度 生命科学研究科 占部城太郎教授 最終講義 2024-01-30T09:00:00+09:00 日時:令和6年3月8日(金) 13:00開場   最終講義開始:13:30~占部 城太郎 教授   場所:東北大学片平キャンパス 生命科学プロジェクト総合研究棟 講義室・オンライン(ハイブリット開催) アクセス(片平キャンパスD-4) https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/access/   参加登録方法: 参加を希望される場合は、対面、オンライン共に下記のフォームよりお申し込みください。   最終講義視聴登録フォーム https://forms.gle/ZL9VP6ckTccdvb3n9   登録締め切り: 2月29日(木)   3月8日(金) 1.13:00~ 開場 2.最終講義 13:30  開会   13:30~ 研究科長挨拶          占部教授の紹介          占部 城太郎 教授 最終講義 (60分)                      題目「湖沼とプランクトンと生態学」   お問い合わせ先 生命科学研究科教務係 E-mail:lif-kyom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい) TEL:022-217-5706   https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/ ヌタウナギが明らかにする脊椎動物のゲノム進化 -脊椎動物進化の大イベント「全ゲノム重複」の時期を特定- 2024-01-29T14:00:00+09:00 概要  理化学研究所(理研)開拓研究本部倉谷形態進化研究室のフアン・パスクアル・アナヤ客員研究員、生命機能科学研究センター形態進化研究チームの上坂将弘客員研究員(東北大学大学院生命科学研究科助教)、倉谷滋チームリーダー(開拓研究本部倉谷形態進化研究室主任研究員)ら、7カ国40人以上から成る国際共同研究グループは、顎(あご)のない脊椎動物である円口類[1]の一種、ヌタウナギ[2]のゲノムを初めて解読し、脊椎動物の進化で生じた2回の全ゲノム重複[3]のタイミングを突き止めました。  本研究成果から、われわれヒトを含む脊椎動物がどのように進化してきたのか、その理解がさらに深まることが期待できます。  現生の脊椎動物は、ヒトなど顎を持つ顎口類(がっこうるい)と、ヌタウナギなど顎を持たない円口類に大別されます。両者はいずれも、祖先種のゲノム全体が重複し遺伝子が倍加する「全ゲノム重複」を複数回経て進化したと考えられています。  今回、国際共同研究グループは、日本近海に生息するヌタウナギのゲノムを詳細に決定し、脊椎動物のゲノム進化をより正確に解析しました。その結果、最初の全ゲノム重複が約5億3千万年前の初期カンブリア紀に、2回目の重複が、顎口類が円口類と分岐した後の約4億9千万年前に顎口類の共通祖先で起きたことが示されました。また、円口類では約5億年前にゲノムの3倍化が生じたことも明らかになりました。さらに、顎口類と円口類で起きたゲノム重複による進化への影響を調べたところ、顎口類ではゲノム重複が形態の多様性をもたらした可能性があるのに対し、円口類では、顎口類のような著しい形態の多様化は見られませんでした。これは、全ゲノム重複の形態進化への影響が予想以上に複雑であることを示唆する重要な知見です。  本研究は、科学雑誌『Nature Ecology & Evolution』オンライン版(1月12日付)に掲載されました。    ヌタウナギ(左)と脊椎動物進化における全ゲノム重複のタイミング(右)   【補足説明】 [1] 円口類 現在生存している顎のない脊椎動物であるヌタウナギ類、ヤツメウナギ類の総称。特にヤツメウナギの口器が吸盤状になっているため「円口類(Cyclostomata)」と命名された。   [2] ヌタウナギ 円口類に属する顎のない脊椎動物の一群。細長い体型のため「ウナギ」と呼ばれるが、真骨魚ウナギ目の仲間ではない。脊椎骨が退化しているため、かつては脊椎動物の前段階の動物と見なされていた。ほとんどの種が深海に生息するため、生態や個体発生に謎が多いが、理研形態進化研究グループは、日本産の浅海性ヌタウナギ(Eptatretus burgeri)から世界で唯一、実験室内での胚の取得に成功している。眼は退化しており、粘液腺から粘液を放出し、捕食や防御に用いる。   [3] 全ゲノム重複 生物が持つ全遺伝情報であるゲノムが、そのまま倍化する現象。ゲノムにコードされている遺伝子も全て倍化し、新しい機能を持った遺伝子が生じる余地が生まれるため、生物進化の大きな駆動力になると考えられている。   【論文情報】 Daqi Yu, Yandong Ren, Masahiro Uesaka, Alan J. S. Beavan, Matthieu Muffato, Jieyu Shen, Yongxin Li, Iori Sato, Wenting Wan, James W. Clark, Joseph N. Keating, Emily M. Carlisle, Richard P. Dearden, Sam Giles, Emma Randle, Robert S. Sansom, Roberto Feuda, James F. Fleming, Fumiaki Sugahara, Carla Cummins, Mateus Patricio, Wasiu Akanni, Salvatore D’Aniello, Cristiano Bertolucci, Naoki Irie, Cantas Alev, Guojun Sheng, Alex de Mendoza, Ignacio Maeso, Manuel Irimia, Bastian Fromm, Kevin J. Peterson, Sabyasachi Das, Masayuki Hirano, Jonathan P. Rast, Max D. Cooper, Jordi Paps, Davide Pisani, Shigeru Kuratani, Fergal J. Martin, Wen Wang, Philip C. J. Donoghue, Yong E. Zhang & Juan Pascual-Anaya (2024) Hagfish genome elucidates vertebrate whole-genome duplication events and their evolutionary consequences. Nature Ecology & Evolution DOI : 10.1038/s41559-023-02299-z     詳細(プレスリリース本文)       【関連リンク】 東北大学 東北大学大学院理学研究科 理化学研究所     【問い合わせ先】 (研究に関すること) 東北大学大学院生命科学研究科 助教 上坂将弘 TEL: 022-795-6677 Email: masahiro.uesaka.d5(at)tohoku.ac.jp   (報道に関すること) 東北大学大学院生命科学研究科広報室 高橋さやか TEL: 022-217-6193 Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp   東北大学は持続可能な開発目標 (SDGs)を支援しています   https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/