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第5回 生命科学webセミナー「発熱するソテツの再発見とサトイモ科発熱植物研究の新展開」

第5回 生命科学webセミナー「発熱するソテツの再発見とサトイモ科発熱植物研究の新展開」

2021.11.24 09:30
日時:2021年12月2日 (木) 15:00~16:30 オンライン
※登録方法などは配信したメールをご確認ください。
 
概要:
講演者:稲葉 靖子 准教授 (植物分子育種分野/宮崎大学農学部)
講演タイトル:発熱するソテツの再発見とサトイモ科発熱植物研究の新展開
 
 
要旨:
 種子植物の花(花序や球果を含む)による発熱には、訪花昆虫の誘引や昆虫との相利共生等、種子植物の生殖機構に絡む主要な役割がある。一般的に、花の温度を外気温に対して0.5℃以上上昇させる能力を持つ植物のことを「発熱植物」と呼び、発熱能力の高い植物では、花の温度が外気温に対して20℃以上も上昇する。これまでに論文報告された発熱植物(89種)の中で、約半数(43種)を裸子植物のソテツ(ソテツ科とザミア科から成る)が占め、残りを占める被子植物の大部分はサトイモ科植物(36種)である。日本に自生するCycas revolutaという学名を持つソテツは、ソテツ科に属し、九州南部から沖縄諸島にかけて広く分布する。これまで、ザミア科ソテツに比べてソテツ科ソテツの発熱能力は微弱であるとされてきたが、我々の調査から、ソテツ科C. revolutaの雄花は、ザミア科ソテツと同程度の発熱能力を持つことが判明した。一方、発熱性を持つサトイモ科植物の中で、ザゼンソウ属(Symplocarpus属)のS. renifolius(アジアザゼンソウ)は、サトイモ科発熱植物の中でも発熱能力が高く、花序における安定した発熱を長期に渡り持続できることから、植物の発熱研究においては、古くから今日に至るまで優れた研究材料(対象)であり続けている。
 本セミナーでは、発熱植物の中で2大勢力を誇るCycad(ソテツ)とAroid(サトイモ科植物)の話を中心に、これまで明らかとされてきた知見を紹介して、最後に、発熱植物研究の今後の展望についても述べたい。
 
備考:本セミナーは生命科学研究科単位認定セミナーです(2ポイント)
 
 
後援:ダイバーシティ推進委員会
 
連絡先:
生命科学研究科植物分子育種分野
渡辺 nabe(at)ige.tohoku.ac.jp