GO TOP

Information

Seminar

Information

生命科学研究科セミナー

生命科学研究科セミナー

2022.11.01 09:30
日時:12月15日 10:00~
会場:片平キャンパス生命科学プロジェクト総合研究棟講義室
※定員70名、事前登録制となります。下記フォームよりご登録下さい。 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeBAYWbrKJWziASA2CYgaaMxLE-xrjRyZTZ-RbNcALQnckDKA/viewform?edit_requested=true
 
唐木文霞助教(北里大学薬学部)
「リガンドになりやすい化合物の集団を構築する試み」
 
多くの薬は, 病気の原因となるタンパク質に結合し, その機能を調節することで, 作用を発揮しています.新しい薬を作るには, まず, 機能を調節したいタンパク質に結合する化合物(リガンド) を見つける必要があります. そのための方法のひとつに, 「非常にたくさんの数の化合物を集めて, これらが機能を調節したいタンパク質に作⽤するか, ひとつずつ調べていく」というものがあります. では, どのような性質の化合物の集団を使えば, より効率よくリガンドを見つけられるのでしょうか? 私たちは現在, 核となる分子に部品を集積させることで, リガンドを探し出すために必要な化合物の集団を作る研究を行っています. この研究で作った化合物の集団の中から, 実際に,食欲に関係があるとされるタンパク質および痛みに関係があるとされるタンパク質のリガンドを見つけることができました. 本講演会では, このような研究をはじめようと考えたきっかけおよび実際の進捗状況についてお話ししたいと考えています.
 
大金賢司講師(お茶の水大学基幹研究員自然科学系)
「低分子化合物によるタンパク質の安定化・不安定化」
 
薬や毒の多くはタンパク質に結合し、そのタンパク質の機能を変化させることで、細胞・組織・個体レベルで何かしらの作用を示します。例えば、酵素の阻害剤は標的酵素が触媒として基質を変換する反応を阻害し、アンタゴニストと呼ばれる化合物はホルモン等の受容体タンパク質に結合し、ホルモン等の受容体への結合をブロックすることで、ホルモン等による情報伝達を遮断します。これが⽣物活性化合物の作⽤機序の基本的な考え方です。一方、最近では化合物の標的タンパク質への結合が標的タンパク質の安定性を変化させる現象があることが認識されてきており、標的タンパク質の機能を変化させるのではなく存在量を変化させることで作用する生物活性化合物も見つかってきています。本講演では、このような少し変わった「活性」を積極的に利用する研究(や試み)を紹介します。
 
 
問い合わせ先:
生命科学研究科活性分子動態分野 石川稔(minoru.ishikawa.e4(at)tohoku.ac.jp)
後援:生命科学研究科 ダイバーシティ推進委員会