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アスパラガス茎枯病の抵抗性に関与する遺伝子群を特定 日本固有種ハマタマボウキを用いた世界初の茎枯病抵抗性品種育成が期待される

アスパラガス茎枯病の抵抗性に関与する遺伝子群を特定 日本固有種ハマタマボウキを用いた世界初の茎枯病抵抗性品種育成が期待される

2017.06.02 09:31

【発表のポイント】

  • アスパラガス茎枯病は、西南暖地の露地産地を壊滅状態に追い込んだ難防除病害であり、食用アスパラガスには茎枯病抵抗性の品種がなく、現在は薬剤防除に頼っているが完全に発病を防ぐのは非常に困難。
  • 茎枯病感受性の食用アスパラガスと茎枯病抵抗性のハマタマボウキを用い、茎枯病菌感染によって発現誘導される遺伝子群を網羅的に比較解析した結果、茎枯病抵抗性に関与する遺伝子群を特定した。
  • 本研究成果は世界初の茎枯病抵抗性アスパラガス品種の育成に貢献することが期待され、茎枯病抵抗性アスパラガス品種が育成されると、現在行われている殺菌剤の散布回数を減らすことができ、国産アスパラガスの生産コストと生産労力を劇的に削減できる可能性がある。
 

【概要】

東北大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授のグループは、農研機構の浦上敦子ユニット長、松尾哲主任研究員、香川県農業試験場の池内隆夫主席研究員、森充隆主席研究員、村上恭子主席研究員、九州大学大学院農学研究院の尾崎行生准教授、九州大学熱帯農学研究センターの松元賢准教授との共同研究により、茎枯病感受性の食用アスパラガスと茎枯病抵抗性を有する近縁野生種ハマタマボウキを用いて、茎枯病菌感染によって遺伝子発現が誘導される遺伝子群を網羅的に解析することにより、茎枯病抵抗性に関わる遺伝子群を特定しました。本研究成果は、2017年6月1日付で国際科学雑誌Scientific Reports電子版に掲載されます。本研究は、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業のサポートを受けて行われました。
 
 
図 茎枯病菌接種前後の食用アスパラガスとハマタマボウキ
 
 
【論文題目】
題目:Comparative de novo transcriptome profiles in Asparagus officinalis and A. kiusianus during the early stage of Phomopsis asparagi infection.
 
著者:Mostafa Abdelrahman, Naoyuki Suzumura, Mai Mitoma, Satoshi Matsuo, Takao Ikeuchi, Mitsutaka Mori, Kyoko Murakami, Yukio Ozaki, Masaru Matsumoto, Atsuko Uragami, Akira Kanno
 
 
 
 

【問い合わせ先】

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 菅野 明(かんの あきら)
電話番号:022-217-5725
Eメール:kanno@ige.tohoku.ac.jp

 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr@grp.tohoku.ac.jp
 
九州大学広報室
電話番号:092-802-2130
Eメール:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp