GO TOP

Research

Research

Research

海を越えるフクロウ類:アオバズクの渡り経路を解明 ― 世界最長の海上移動と、その先に待つ大規模プランテーション ―

海を越えるフクロウ類:アオバズクの渡り経路を解明 ― 世界最長の海上移動と、その先に待つ大規模プランテーション ―

2026.06.11 11:00

【発表のポイント】 

  • 宮城県に生息するフクロウ類のアオバズクをGPS記録計(注1)で追跡し、本種が秋にカリマンタン島まで移動し、春には中国を経由して繁殖地に戻ることを突き止めました。
  •  秋の渡りの中で記録された1848 kmにわたる海上移動は、これまでの夜行性鳥類における世界記録を二倍近く塗り替るものです。
  • 本種が越冬期にプランテーション内に残された小規模な二次林を利用することを明らかにしました。本研究の成果は、鳥類の保全方法の策定に貢献することが期待されます。

【概要】 

    四方を海で囲まれた日本を飛び立つ渡り鳥は、どのように海を越え、その先でどのような景色を見ているのでしょうか。
    東北大学大学院生命科学研究科の竹田山原楽特任研究員、田谷昌仁学振特別研究員、東北大学学際科学フロンティア研究所の塩見こずえ助教(研究当時)は、日本鳥類標識協会の細谷淳氏と共同で、渡りを行うフクロウ類として知られるアオバズクに注目し、その渡り経路の全貌に迫りました。本研究では、東北地方で繁殖するアオバズクに GPS記録計を装着することで一年間の移動経路を追跡しました。その結果、秋にはフィリピン海上を休まず飛行したのち越冬地のカリマンタン島に到達し、春には中国大陸部を経由して繁殖地まで北上することを明らかにしました。さらに越冬地周辺の衛星写真の解析から、追跡個体の越冬地が油ヤシのプランテーション(注2)に囲まれた小規模な二次林であることが示唆されました。
    本研究の成果は、2026 年 6 月 7 日付で Early Access 版が科学誌 AnimalBiotelemetry に掲載されました。
 
図1 . アオバズクとその生息地:東アジアで繁殖し、東南アジアで冬を過ごすことが知られている。左写真は青森県沖のフェリー航路上で観察された渡り中の移動個体(中村咲子氏提供)。
 
【用語説明】 
注1. GPS 記録計:全地球測位システムを用いて地球上における装着個体の座標を測位し、決められたスケジュールに沿って記録する機器。
注2. プランテーション:熱帯・亜熱帯地域に見られる単一作物を大量に栽培する農園。
 
【論文情報】
タイトル:Case Report: Long-distance overwater migration of the Northern Boobook, Ninox japonica, revealed by year-round GPS tracking
著者: 竹田山原楽*、田谷昌仁、塩見こずえ、細谷淳
*責任著者:東北大学生命科学研究科 特任研究員 竹田山原楽
掲載誌:Animal Biotelemetry
DOI:https://doi.org/10.1186/s40317-026-00469-x
URL: https://link.springer.com/article/10.1186/s40317-026-00469-x
 
 
関連リンク
 
 
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
特任研究員 竹田 山原楽
TEL: 022-795-6691
Email: yawara.takeda.a6(at)tohoku.ac.jp
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
 
東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。