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研究分野

生態発生適応科学専攻 :
生態ダイナミクス講座

研究

中山 卓郎

助教 中山 卓郎
キャンパス 青葉山 キャンパス
所属研究室 進化生物
連絡先 022-795-6689
E-mail nakayama.t@tohoku.ac.jp
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細胞内共生に代表される、微生物同士の共生とそれに伴うゲノム進化に興味を持ち、多角的なアプローチで研究しています。
経歴
筑波大学大学院生命科学研究科において博士(理学)を取得。国立環境研究所研究員、日本学術振興会海外特別研究員(カナダ・ダルハウジー大学)、筑波大学計算科学センター研究員を経て2016年11月より現職。
著書・論文
下記をご参照ください。

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個人Website: 
所属学会
日本藻類学会、日本植物学会

最近の研究について

しばしば生命の進化・多様化は樹の形に例えられます。幹から出た枝は更に枝分かれし、それぞれの枝が交わることは原則的にありません。しかし実際の生物の進化の中では、全く異なる2つの系統が1つに合流することもあります。ミトコンドリアや葉緑体を生んだ細胞内共生進化がその代表例です。2つの生物が細胞レベルで共生し、やがて1つの生物に統合される進化は、ミトコンドリアを持つ真核生物、葉緑体を持つ植物を生み出し、現在の生物のあり方に大きなインパクトをもたらしました。実はこのような共生進化は珍しいものではなく今現在の自然環境の中でも現在進行系で起こりつつあります。私は細胞共生進化の途中段階にあると考えられる微生物系を対象とし、主にゲノム解読やトランスクリプトーム解析を通じて、異なる2つの生物の融合がどのように進むのか、その共生にはどのような生物的意義があるのかなどを明らかにしようとしています。
 
共生に伴うゲノム進化の研究
共生進化の中で2者のゲノムは互いに影響し合いながらダイナミックに変化していくと考えられています。共生進化の様々な段階にある生物のゲノム解読を通じて、そのゲノム進化原理を知ろうとしています。
関連する研究:
  • 珪藻細胞に共生するシアノバクテリアゲノムを解読(Nakayama et al. 2014 PNAS, Nakayama and Inagaki 2017 Sci. Rep.)
  • 渦鞭毛藻に細胞内共生した緑藻の核ゲノムの名残を発見(Sarai et al. 2020 PNAS)
共生関係が担う役割の理解
微生物同士の共生は数多く報告されていますが、その生態学的役割や生物学的意義についての理解はあまり進んでいません。私は様々な細胞共生関係を対象に、2つの生物が深い共生関係を築くに至った生物学的背景や、その共生が生態系にもたらすインパクトを理解しようとしています。
関連する研究:
  • 渦鞭毛藻に共生するシアノバクテリアが海洋に広く分布する未知の系統であることを発見(Nakayama et al. 2019 PNAS)

メッセージ

微生物は私達の身の回りのいたるところに棲み、生態系の重要な構成要素としての役割を果たしています。その存在は普段の生活では気づかないでしょうし、顕微鏡がないとその姿を見ることすらできません。しかし、そこに目を向けると驚くほどの多様性や不思議な現象に満ちています。
「原始的」とも称される小さな生物たちですが、それらを対象とした研究には生物の成り立ちや生物多様性の包括的な理解といったスケールの大きな疑問に答えるポテンシャルがあります。そんな研究に興味があればぜひ声をかけてください。きっと微生物の進化はあなたの好奇心に答えてくれると思います。