細胞内共生がもたらした生態系の多様な進化を、ゲノムや細胞、個体間の相互作用などの面から研究しています。
助教 丸山 真一朗

キャンパス | 青葉山 キャンパス |
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所属研究室 |
進化生物
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連絡先 | 022-795-6689 |
maruyama@tohoku.ac.jp |
経歴 |
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻にて博士(農学)取得。日本学術振興会特別研究員(東京大学)、海外特別研究員(カナダ、ダルハウジー大学)、基礎生物学研究所特別協力研究員等を経て、現職。 |
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著書・論文 |
researchmap: https://researchmap.jp/7000012636/
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所属学会 |
日本植物学会 |
最近の研究について
ある生物が別の生物の細胞内に入り込み、安定した共生関係を続けていくように進化することを細胞内共生と呼びます。我々ヒトを含む真核生物が持つミトコンドリアや、植物の持つ葉緑体も、元々はこうした細胞内共生の賜物と考えられています。
細胞内共生は太古の進化的事件に限った話ではなく、地球上の様々な生態系で、現在進行形でも起こっています。例えば、サンゴ礁を形成するサンゴを始め、イソギンチャクやクラゲなどを含む刺胞動物の中には、褐虫藻と呼ばれる渦鞭毛藻の一種を細胞内共生させ、その共生藻が産生した光合成産物を自らの成長に利用しているものが知られています。しかし近年、海水温上昇などの環境変動により、こうした動物と植物との共生が「破綻」してしまい、サンゴの白化が起こるなど深刻な被害が報告されるようになってきました。
このような問題に取り組むためには、共生を維持するための機構がどのように進化し、現在のような多様な共生系が生まれてきたのかをより深く理解することが重要です。私は、刺胞動物のモデル種であるセイタカイソギンチャクや、捕食性の藻類などの共生生態系をモデルとして用い、共生の維持と破綻に関わる遺伝子や細胞機能の解析を行っています。