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マベ真珠の形成に関わる新たなマトリックスタンパク質:PLoS ONE誌に掲載

マベ真珠の形成に関わる新たなマトリックスタンパク質:PLoS ONE誌に掲載

2014.11.11 13:38

分子生命科学専攻 生命素子機能分野

小川智久

自然が作り出すバイオミネラル(生体硬組織)の代表である真珠貝は、カルサイト(方解石)とアラゴナイト(霰石)という異なる炭酸カルシウムの結晶系を作り分けています。そして光沢のある真珠層は,アラゴナイトと有機マトリックスが交互にレンガを積み重ねたような精緻な多層構造をとっています(図1)。この無機−有機複合材料からなる多層構造のため,真珠は軽くて強い(通常の炭酸カルシウム結晶より3000倍の強度)材料特性をもち,光の干渉作用による美しい光沢をもちます。今回は,マベ真珠の形成(バイオミネラリゼーション)に関わる2種のタンパク質の構造と機能を明らかにしました。いずれも植物レクチンの一種,ジャッカリン様レクチンと類似の構造をもっていましたが,それぞれ結晶粒の界面での結晶間の接着やアラゴナイトの形成など異なるバイオミネラリゼーション機能をもつことが明らかになりました(図2,3)。

これらタンパク質の機能を制御することによって,将来,結晶の厚さを変え,光を制御できるような新たな無機−有機複合機能材料の開発へも期待できます。

本論文は,Open accessになっていますので,どこからでも見ることができます。

なお,本研究は,本学学際科学国際高等研究センターでのプログラム研究による共同研究(環境科学研究科および農学研究科)であり,科研費(基盤研究B, 新学術領域研究「融合マテリアル」)での成果でもあります。

T. Naganuma, W. Hoshino, Y. Shikanai, R. Sato, K. Liu, S. Sato, K. Muramoto, M. Osada, K. Yoshimi, T. Ogawa, “Novel Matrix Proteins of Pteria penguin Pearl Oyster Shell Nacre Homologous to the Jacalin-Related β-Prism Fold Lectins” (2014) PLoS ONE 9(11): e112326. doi:10.1371/journal.pone.0112326. 論文はこちらです

*レクチン:糖鎖を特異的に認識するタンパク質の総称。動植物をはじめ全ての生物に存在し糖鎖を介した細胞の機能制御などに働く。

添付図


図1 マベガイ貝殻と模式図(a)および貝殻断面の電子顕微鏡像(b)

図2 マベ幼生における貝殻形成へのマトリックスタンパク質PPL2Aの影響:モルフォリノオリゴを用いたノックダウンによりD型幼生の貝殻形成に影響.

図3 マトリックスタンパク質,ジャッカリン様レクチンPPL2AおよびPPL2Bの結晶化への影響.  蛍光標識したタンパク質の炭酸カルシウム結晶中での分布.

【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院分子生命科学専攻 生命素子機能分野
担当 小川 智久
E-mail ogawa*biochem.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
E-mail lifsci-pr*ige.tohoku.ac.jp  (*を@に置き換えてください) 

ogawa*biochem.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)