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研究内容

報酬系



動機づけ学習(報酬を基にした学習)の神経機序の解明

動機づけ学習の神経機構を調べるため、前頭連合野、線条体、黒質・腹側被蓋など、報酬系に含まれると考えられている領域から、ニューロン活動を記録している。最近の成果としては、線条体に、黒質や腹側被蓋と同様に、学習の強化シグナルである「報酬予測誤差」を表現するニューロン群があることを見出した(Oyama et al. 2010)。また、古典的条件付けにおける活動様式から、線条体のニューロンがいくつかのタイプに分類できることが、明らかになってきた(近日公刊予定)。






(上図)線条体における報酬予測誤差の表現
  (Oyama et al., J Neurosci. 30(34):11447-57. 2010)

(左図)頭部を固定されて行動課題を遂行中のラット





報酬を基にした行動選択の神経機序の解明


報酬を基にした行動選択をシステムとして理解するため、ラットを対象にした行動実験を中心に薬理学的手法や電気生理学的手法を組み合わせ、行動選択における報酬 系領域(上述)の役割について研究を行っている。最近の成果としては、「リスクはあるが当たれば大きな報酬が得られるという選択肢」を多く選んでいたラットが、 島皮質前部を抑制すると「リスクを避けて、報酬が少なくても確実にそれが得られる選択肢」を多く選ぶようになることを見出した。これは島皮質前部には、より大き な利益の獲得を目指す行動を促進する機能があることを示唆している。


  島皮質前部の活動抑制がリスク選択行動に与える影響
  (Ishii et al., J. Neurosci. 32(45):16031-9. 2012)



報酬系・罰系の脳内ネットワーク動態の解明

ヒトやサルの脳において、報酬や罰の情報処理にかかわっている脳領域がどこなのか、また、それらの脳領域の特性はどういうものなのか、複数の領域同士の機能連関はどうなっているのか、などについて、機能的MRIなどの非侵襲的イメージング法を用いて研究をしています。


  機能的MRIによって同定された、ヒトの報酬および罰関連領域。赤:報酬領域、青:罰領域、黄:統合領域。
  (Fujiwara et al., Journal of Neurophysiology, 2009)





連絡先


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仙台市青葉区片平二丁目1番1号

東北大学大学院生命科学研究科
 生命機能科学専攻
  脳機能解析構築学講座
   脳情報処理分野



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教授  飯島敏夫
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