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研究内容

実行系・高次認知機能


前頭連合野局所回路の構成と機能の解明

前頭連合野は、実行系( =自分が取りうる行動の結果を予測しながら行動の計画をたて、衝動的な欲求を抑制しながら、その計画を実行していく機能)の中枢であるといわれている。実行機能に関係して、前頭連合野では、行動の抑制的制御(no-go)に関係した発火、短期記憶(あるいは作業記憶)に関連した持続的発火、文脈情報に関連した予期的あるいは持続的発火など、特徴的な活動が見られる。こかし、これらの活動の背景にある前頭連合野の局所神経回の構成と機能については、不明な点が多い。行動中の動物において、プラスミド注入によって細胞を標識するという、独自開発の技術を用いて、前頭連合野の局所神経回の構成と機能の解明に取り組んでいる。


実行系の要素機能と前頭連合野のニューロン活動        課題遂行中のサル



             実行機能を実現する前頭連合野局所回路(仮説)
          順/逆サッケードをルールに従って切り替えて行うための回路



経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いた大規模神経ネットワーク動態の解明
サル精神疾患モデルの確立と新規治療法の開発


情動・意欲・気分・注意・判断などの不調は、前頭連合野機能の異常と関係が深いことが明らかになっている。例えば、うつ病、躁うつ病、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、強迫神経症(OCD)などである。この研究では、経頭蓋磁気刺激(TMS)によって、前頭連合野の局所的な神経活動を抑制したり促進することにより、全脳の神経ネットワークの動態に変化をもたらして、情動・意欲・気分・注意・判断などに影響をあたえる。これにより、前頭連合野による認知機能制御の機序の理解と、上記疾患の動物モデルを確立・新たな治療法の開発を目指す。


      TMS装置             前頭連合野を中心とする注意や情動の制御回路(仮説)





連絡先


〒980-8577
仙台市青葉区片平二丁目1番1号

東北大学大学院生命科学研究科
 生命機能科学専攻
  脳機能解析構築学講座
   脳情報処理分野



TEL 022-217-5052(代表)
FAX 022-217-5048

教授  飯島敏夫
Mail t-iijimam.tohoku.ac.jp
TEL 022-217-5046(直通)

准教授  筒井健一郎
Mail tsutsuim.tohoku.ac.jp
TEL 022-217-5047(直通)

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