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寄生者の違いが、オトシブミが作る葉巻「落とし文」の多様さをつくる

寄生者の違いが、オトシブミが作る葉巻「落とし文」の多様さをつくる

2015.04.28 18:48

生態システム生命科学専攻 生物多様性進化分野

深澤知里・河田雅圭

オトシブミは産んだ葉っぱを様々な形に切ったり、巻いたりして、地面に落とします(図1)。道端にわざと落とした手紙「落とし文」(図2)に似ていることからオトシブミと呼ばれており(図2)、種によって、葉っぱの加工方法は様々です(図3)。生命科学研究科の深澤知里研究員、河田雅圭教授、京都大学の加藤真教授らは、このオトシブミの仲間がどのような葉っぱの加工方法をとるかは、卵から孵化した幼虫に寄生する寄生者(寄生蜂)の種類が影響していることを解明しました。この研究により、生物が作り出す構築物の多様さに、寄生者と植物の相互の進化(共進化)が影響していることを示唆しています。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

 

図1. 葉を巻くゴマダラオトシブミ

 

図2. 地面に落とされた「落とし文」

 

図3. オトシブミ科の多様な植物加工法
(a)カラスチョッキリが産卵し切り落としたタブノキの新梢、
(b)イタヤカエデ新葉の葉柄を切るシリブトチョッキリ、
(c)ルリイクビチョッキリが産卵し切り落としたアラカシの新葉、
(d)カバイクビチョッキリがシラカバの新葉を切って作った葉巻き、
(e)イロハモミジの新葉を何枚も張り合わせて葉巻きを作るイタヤハマキチョッキリ、
(f)イラクサの葉を切って葉巻きを作るコブオトシブミ

詳細(プレスリリース本文) PDF

 

【論文】
Arms race between leaf rollers and parasitoids: diversification of plant-manipulation behavior and its consequences.
Ecological Monographs, 85:253–268. (2015, May)

 

【著者】
Chisato Kobayashi, Kazunori Matsuo, Kyohei Watanabe, Nobuaki Nagata, Yukari Suzuki-Ohno, Masakado Kawata, and Makoto Kato

 

【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
教授 河田 雅圭(かわた まさかど)
電話番号:022-795-6688
Eメール:kawata*m. tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

 

(報道担当)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当:高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
ファックス:022-217-5704
Eメール:lifsci-pr*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

kawata※m.tohoku.ac.jp (※を@に置き換えて下さい)