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研究分野

脳生命統御科学専攻 :
神経ネットワーク講座

研究

筒井 健一郎

教授 筒井 健一郎
キャンパス 片平 キャンパス
所属研究室 脳神経システム
連絡先 022-217-5047
E-mail tsutsui@tohoku.ac.jp

専門は、高次脳機能のシステム神経科学です。主に、前頭連合野・頭頂連合野の機能とその連関、前頭葉-基底核-脳幹の機能連関に着目し、知覚・認知系、報酬・学習系、実行系の機能の神経基盤を明らかにすることを目的に研究しています。神経回路の構成と働きに基づいて、行動の発現や精神機能を理解することを目指しています。 用いている研究手法は、行動中の霊長類・げっ歯類を対象とした、ニューロン活動記録(電気生理学)・イオントフォレシス(薬物微量注入)・マイクロダイアリシス(細胞外伝達物質の動態測定)や、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)による脳活動の操作、分子生物学的手法を利用した細胞標識・回路解析などです。また、国内外の機関と協力して、ヒトを対象とした脳機能イメージングも行っています。(研究内容の詳細については、研究室ホームページ「研究内容」をご覧ください。

経歴

東京大学卒業、東京大学大学院博士課程修了・博士(心理学)。日本学術振興会 特別研究員(PD)(所属先:日本大学医学部)、ケンブリッジ大学解剖学 Research Associate(助手)を経て、東北大学大学院生命科学研究科・助教授、 のち職階制改正に伴い、准教授。2017年 同教授。 日本神経科学学会奨励賞、日本心理学会国際賞奨励賞受賞

著書・論文
(最近の主な論文)
  1. Tateyama Y, Oyama K, Shiraishi M, Iijima T, Tsutsui KI.
    Robust, highly customizable, and economical multi-channel electrode for chronic multi-unit recording in behaving animals. Neuroscience Research 125:54-59 (2017)
  2. Ohara S, Sota Y, Sato S, Tsutsui KI, Iijima T. Increased transgene expression level of rabies virus vector for transsynaptic tracing. PLOS ONE 12:0180960 (2017)
  3. Tsutsui KI, Grabenhorst F, Kobayashi S, Schultz W. A dynamic code for economic object valuation in prefrontal cortex neurons. Nature Communications 7:12554 (2016)
  4. Tsutsui K, Hosokawa T, Yamada M, Iijima T. Representation of Functional Category in the Monkey Prefrontal Cortex and Its Rule-Dependent Use for Behavioral Selection. Journal of Neuroscience 9;36(10):3038-48 (2016)
  5. Oyama K, Tateyama Y, Hernadi I, Tobler PN, Iijima T, Tsutsui KI. Discrete coding of stimulus value, reward expectation, and reward prediction error in the dorsal striatum. Journal of Neurophysiology 114:2600-2615 (2015)
  6. Tsutsui KI, Sakata H, Naganuma T, Taira M. Neural correlates for perception of 3D surface orientation from texture gradient. Science 298:409-412 (2002)
所属学会

日本神経科学学会、北米神経科学学会(The Society for Neuroscience) 日本生理学会、日本心理学会、日本基礎心理学会、日本動物心理学会

担当講義

脳神経システム学I(理学部生物学科)、生命科学(全学教育)

最近の研究について

  • 行動中に活動を記録したニューロンの形態学的分析を行うことができるよう、従来のニューロン活動記録法と併用が可能なプラスミド注入によるニューロン標識手法を開発しました(Oyama et al. 2013)(写真1)。今後は、この手法を用いて、さまざまな脳機能の背景となっている、局所神経回路の構成とはたらきを明らかにしていきます。
(写真1) ガラス管電極を用いて細胞外記録法によって活動を記録し(A)、その後にガラス管内の蛍光タンパクのプラスミドをエレクトロポレーションによって注入した。蛍光タンパクを発現した標識細胞は、組織票本上で微細構造まではっきりと見ることができる(B)。  
  • 行動中のサルの神経活動をrTMS法によって操作し、破壊実験に相当する行動障害を引き起こすことに成功しました。今後は、rTMSによる脳活動の操作と、脳機能イメージングや皮質表面電位などの大規模神経活動記録を組み合わせ、さまざまな脳機能の背景となっている、脳領域間のダイナミックな相互作用を明らかにしていきます(写真2)。そして、rTMSを使って神経・精神疾患のサルモデルを構築することを目指します(脳科学研究戦略推進プログラム)。

(写真2) TMS装置(左)と、前頭連合野を中心とする注意や情動の制御回路の仮説(右)

メッセージ

脳を知ることは己を知ること。生命科学のフロンティアの一つである、脳研究に参加してみませんか? 興味のある方は、お気軽にコンタクトしてください。

視覚認知課題を遂行中のサル