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地球温暖化に伴う、イネ高温不稔を防ぎ、温暖化でも高収量のイネ作出可能遺伝子の網羅的解析

地球温暖化に伴う、イネ高温不稔を防ぎ、温暖化でも高収量のイネ作出可能遺伝子の網羅的解析

2009.11.01 10:39

イネ・高温不稔関連遺伝子の網羅的解析を国際誌Plant Cell Physiol.に掲載

地球温暖化に伴う、イネ高温不稔を防ぎ、温暖化でも高収量のイネ作出可能遺伝子の網羅的解析

所属:生態システム生命科学専攻・植物生殖遺伝分野
名前:渡辺正夫
URL:http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/index.html

 高等植物の生殖形質を新しい試みとして、温度ストレスと花粉稔性と言うことで、共同研究を行い、花粉稔 性維持、不稔性誘導遺伝子などをマイクロアレイ解析からし、生殖形質との昨日創刊について、考察したもの を、国際誌Plant Cell Physiol. (Impact factor 3.5)に発表した。
 イネは、亜熱帯原産であることから、温度ストレスと言えば、開花期の低温、つまり、冷害が問題となる。し かしながら、近年の地球温暖化の影響とも考えられる「高温不稔」という現象が、西南暖地など、西日本で 観察されるようになりつつあり、イネの収量を低下させることから、問題視されている。そこで、高温により 遺伝子発現がどのように変化し、その結果として、「雄性不稔」になるかを明らかにすることは、高温不稔を 解決できるだけでなく、植物と高温ストレスとの問題を解明する糸口にもなる。
 当分野と同研究科のゲノム継承システム分野、農水省・作物研究所、明治大との共同研究で、開花期の イネを高温に暴露し、マイクロアレイで遺伝子発現解析を行った。その結果、花粉の成熟をサポートする タペート細胞で特異的に発現している遺伝子の多くが抑制され、このことが要因となり、花粉の柱頭上への 接着、発芽が抑制され、このことが、「高温不稔」を引き起こすものと考えた(Endo et al. (2009) Plant Cell Physiol. 50: 1911-1922)。同論文は、以下のURLを参考にして頂きたい。
http://pcp.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/50/11/1911?etoc

また、渡辺の研究室にも関連記事を掲載している。
http://www.ige.tohoku.ac.jp/cgi-bin/prg/watanabe/news/news.cgi?mode=dsp&no=143&num=

この研究を、植物生殖形質研究の新しい方向性として、さらに発展させたい。

モデル植物・イネの開花の様子

私たちは、この様に主として、アブラナ科植物の自家不和合性の分子機構を研究しています。
最近は、モデル植物のイネ、シロイヌナズナの研究を、様々な研究室と共同研究を展開しています。異分野 交流が研究をさらに発展させるものと思っています。
 生殖にまつわる様々な形質の多くは、その現象は博物学的に記載されているが、そこに関わる分子は ほとんど解明されていない。そこで、こうした点を明らかにするために、遺伝学、植物学等の基礎を持ち、 分子生物学の素養を有した学生さんと一緒に研究できることを希望します。ぜひ、渡辺まで、ご連絡ください。