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細胞質雄性不稔における稔性回復分子機構を解明

細胞質雄性不稔における稔性回復分子機構を解明

2008.08.01 18:36

高等植物の受粉反応を制御する因子の解明を国際誌Plant Journalに掲載

細胞質雄性不稔における稔性回復分子機構を解明

所属:生態システム生命科学専攻・植物生殖遺伝分野
名前:渡辺正夫
URL:http://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/index.html

 高等植物の細胞質雄性不稔の分子機構について、イネを材料として明らかにし、国際誌Plant Journal (Impact factor 6.8)に発表した。
 植物における不稔現象は、古くから知られ、ダーウィンの著書にも記述がある。基礎科学からみれば、 核遺伝子と細胞質遺伝子の相互作用とも言えるが、応用的側面としては、実際の安定的F1雑種による品種 改良においても利用されている重要な形質である。本学農学研究科・鳥山教授、名古屋大・杉田教授との 共同研究により、雄性不稔性の発現には、異常タンパク質であるORF79タンパク質が、一定量よりも、 多く発現することが重要であることを示した。さらに、この不稔性を回復するためには、核にコードされている 稔性回復因子であるRF1タンパク質が直接的に、異常転写産物atp6-orf79のプロセッシングを制御すること が重要であることを示した(Kazama et al. (2008) Plant J. 55: 619-628)。
 この研究を、他の生殖関連形質と連動させ、植物の生殖全体を明らかにしたい。

イネの花

 私たちは、この様に主として、アブラナ科植物の自家不和合性の分子機構を研究しています。 最近は、イネも材料として、こうした共同研究も展開しています。また、穂孕期耐冷性などについても、 その分子機構を明らかにしようと思っています。
 生殖にまつわる様々な形質の多くは、その現象は博物学的に記載されているが、そこに関わる分子は ほとんど解明されていない。そこで、こうした点を明らかにするために、遺伝学、植物学等の基礎を持ち、 分子生物学の素養を有した学生さんと一緒に研究できることを希望します。ぜひ、渡辺まで、ご連絡ください。