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2005年日本遺伝学会誌のGGS Prizeを受賞

2005年日本遺伝学会誌のGGS Prizeを受賞

2005.09.01 09:13

生態システム生命科学専攻・植物生殖遺伝分野
渡邉 正夫

 Endo, M, Tsuchiya, T., Saito, H., Matsubara, H., Hakozaki, H., Masuko, H., Kamada, M., Higashitani, A.,, Takahashi, H., Fukuda, H., Demura, T. and Watanabe, M. (2004) Identification and molecular characterization of novel anther-specific genes in japonica rice, Oryza sativa L. by using cDNA microarray. Genes Genet. Syst. 79: 213-226.が、2005年日本遺伝学会誌(Genes & Genetic System)のGGS Prizeを受賞しました。本研究科の東谷篤志教授、高橋秀幸教授との共同研究の成果であるとともに、共同受賞です。

イネは単子葉モデル植物であり、また、作物としても重要である。近年、その全ゲノム配列が決定されたが、生殖器官で特異的に発現している遺伝子の網羅的解析は行われていなかった。生殖器官は、様々な環境変化に対して大きな影響を受け、また、東北地方では、冷害により不稔となる。こうした実用的な面とイネの葯、花粉成熟過程を理解することは、基礎生物学的にも重要である。

 本論文では、4,304 cDNAクローンからなるcDNAマイクロアレイを独自に作製し、156種類の異なる葯、花粉特異的遺伝子を、クラスター解析により同定し、また、in situハイブリダイゼーション実験から、新規の葯、葯壁、タペート細胞、小胞子特異的遺伝を単離した。こうした一連の遺伝子が同調的に機能することにより、花粉が成熟し、受粉、受精に至るものであると考察した。

 

 私たちは、この様にモデル植物のイネを材料として、花粉成熟と受粉反応に関連する遺伝子の分子機構を研究しています。今後は、個々の遺伝子機能解析を農水省・作物研究所、三重大学と共同して解明していく予定です。
 さらには、もうひとつの研究テーマであるアブラナ科植物の自家不和合性における自他識別機構と関連させ、受粉反応に必要な花粉表面タンパク質の機能解析も考えています。そこで、こうした点を明らかにするために、遺伝学、植物学の基礎を持ち、分子生物学の素養を有した学生さんと一緒に研究できることを希望します。

nabe*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えて下さい)