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市民が撮影した写真を活用したマルハナバチ類の分布推定

市民が撮影した写真を活用したマルハナバチ類の分布推定

2017.09.12 09:37

概要

 

マルハナバチ類(図)は、野生植物や農作物の重要な送粉者(植物の花粉を運んで実を結ぶ手助けをする動物)ですが、世界的に減少傾向にあり、日本でも分布調査が必要となっています。
 東北大学大学院生命科学研究科の大野ゆかり研究員らの研究グループは、山形大学と共同でマルハナバチ類の分布調査のため、ウェブページやフェイスブック、ツイッターで、マルハナバチの写真を撮影してメールで送ってもらえるよう、市民に呼びかけ、その結果、2013年から2015年の3年間で4,000枚を超える写真の収集に成功しました。
 収集の結果、2015年までに日本に生息するマルハナバチ類16種のうち15種の写真の収集に成功し、限られた地域や高標高にしか生息しない種や亜種の写真収集にも成功しました(2016年には残り1種の写真収集にも成功しました)。
 加えて、収集した写真をもとに、作成したマルハナバチ類の分布データと環境データを使用し、種分布モデルにより、主要なマルハナバチ6種の生息地の推定を行うことに成功しました。
 この研究結果をもとに、今後は過去と未来の生息地を推定し、現在の生息地と比較することで、生息地の縮小/拡大を評価し、保全すべき種や地域個体群の選定を行うことができるようになると期待されます。

 
 

  図:マルハナバチ類の1種のトラマルハナバチ(撮影 森島英雄)
 
 
【論文の詳細】
 
著者:Suzuki-Ohno, Y., J. Yokoyama,T. Nakashizuka and M. Kawata
 
表題:Utilization of photographs taken by citizens for estimating bumblebee distributions
 
雑誌:Scientific Reports/Early view
URL:www.nature.com/articles/s41598-017-10581-x
 
発行:2017年
 
 
 
 

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 教授  河田 雅圭 (かわた まさかど)
   研究員 大野 ゆかり(おおの ゆかり)
電話番号:022-795-6688(河田)/ 022-795-6689(大野)
Eメール:kawata*m.tohoku.ac.jp(河田)
      yukari.tohoku.univ*gmail.com(大野) 
    (*を@に置き換えてください)
ホームページ:http://meme.biology.tohoku.ac.jp/klabo-wiki/(研究室)
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)