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共生できないサンゴ共生藻突然変異株の単離に成功 共生のスイッチを操作してオン・オフできる基盤技術を開発

共生できないサンゴ共生藻突然変異株の単離に成功 共生のスイッチを操作してオン・オフできる基盤技術を開発

2018.02.20 00:00

発表のポイント  

  • サンゴ礁生態系は、サンゴなどの刺胞動物と、褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる単細胞藻類の細胞内共生注によって成り立っており、共生の崩壊によりサンゴ礁が死滅する「白化現象」が大きな問題になっている。
  • 本研究では、褐虫藻から自然発生的に生じた突然変異株を効率よく選抜することで、共生する能力を失った株を単離することに成功した。
  • また、単離した株を用い、代謝経路のオン・オフが共生を制御するスイッチとして働くことを世界で初めて示した。
  • 本研究により、サンゴ礁保全計画などにも影響を与える重要な共生研究のための基盤的技術を開発することができた。
 

概要  

 東北大学大学院生命科学研究科の丸山真一朗助教らのグループは、基礎生物学研究所の皆川純教授、高橋俊一准教授、および東京大学大学院新領域創成科学研究科・エルピクセル(株)の朽名夏麿特任准教授・CTOらと共同で、サンゴ共生藻から突然変異株を選抜し、宿主である刺胞動物に共生できなくなった株を単離することに成功し、さらに栄養添加によって共生能力が回復することを発見しました。これは、サンゴ共生藻の遺伝的変異が共生能力に直接的に関与し、代謝活性を調節することで共生のスイッチを人為的にオン・オフできることを示した重要な報告です。本研究結果は、2月19日付でScientific Reports誌(電子版)に掲載されました。
 
 
図. モデル刺胞動物のセイタカイソギンチャク。褐虫藻(左下枠内)を共生させた状態(左)とさせない状態(右)を実験室内で誘導できる
 
 
 
【論文の詳細】
 
表題Isolation of uracil auxotroph mutants of coral symbiont alga for symbiosis studies
 
著者Yuu Ishii, Shinichiro Maruyama, Konomi Fujimura-Kamada, Natsumaro Kutsuna, Shunichi Takahashi, Masakado Kawata, Jun Minagawa
 
雑誌Scientific Reports
 
 

問い合わせ先

 

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 丸山 真一朗 (まるやま しんいちろう)
電話番号:022-795-6689
Eメール:maruyama*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)