発表のポイント
- 植物の生育促進や農地由来の温室効果ガス削減のために土壌微生物群集との効果的な関係を活用する機運が高まっています。
- マメ科植物ミヤコグサを用いて植物品種、土壌微生物群集、生育環境を分離して評価できる実験系を構築し、植物成長への影響を評価しました。
- 植物の生育に対する効果において、植物品種と土壌微生物群集の組合せの影響が大きいことが示されました。
- ヒトにおける個別化医療のように、植物においても品種ごとに土壌微生物群集をマネジメントすることが農業生産を最大化する上で有効である可能性が示唆されました。
概要
持続可能な農業を推進する上で、植物と土壌微生物の関係を理解することは不可欠であり、これまで数多くの研究が行われてきました。しかし、土壌微生物群集が植物の生育に及ぼす影響の詳細については明らかにされていませんでした。
東北大学大学院生命科学研究科の番場大助教と佐藤修正教授、およびオーフス大学(デンマーク)の国際共同研究グループは、マメ科植物ミヤコグサを用いて、植物品種、土壌微生物群集、土壌環境の三つの要素とそれらの相互作用が植物生育に及ぼす影響を実験室内で評価する系を確立しました。研究結果から、植物品種と微生物群集の組み合わせが、微生物群集の差異よりも生育への影響が大きいことが明らかになりました。
この発見は、植物品種と土壌微生物群集の組合せを最適化することで植物の生育を向上するという新たな農業戦略を促進し、持続可能な農業の実現への貢献が期待されます。
本研究成果は科学誌 FEMS Microbiology Ecology に5月3日付で掲載されました。
東北大学大学院生命科学研究科の番場大助教と佐藤修正教授、およびオーフス大学(デンマーク)の国際共同研究グループは、マメ科植物ミヤコグサを用いて、植物品種、土壌微生物群集、土壌環境の三つの要素とそれらの相互作用が植物生育に及ぼす影響を実験室内で評価する系を確立しました。研究結果から、植物品種と微生物群集の組み合わせが、微生物群集の差異よりも生育への影響が大きいことが明らかになりました。
この発見は、植物品種と土壌微生物群集の組合せを最適化することで植物の生育を向上するという新たな農業戦略を促進し、持続可能な農業の実現への貢献が期待されます。
本研究成果は科学誌 FEMS Microbiology Ecology に5月3日付で掲載されました。
図. 植物品種依存的に変化する植物表現型とその効果量
【論文情報】
Masaru Bamba*, Turgut Yigit Akyol, Yusuke Azuma, Johan Quilbe, Stig Uggerhøj Andersen, Shusei Sato (2024) Synergistic effects of plant genotype and soil microbiome on growth in Lotus japonicus. FEMS Microbiology Ecology
DOI:10.1093/femsec/fiae056
URL: https://doi.org/10.1093/femsec/fiae056
DOI:10.1093/femsec/fiae056
URL: https://doi.org/10.1093/femsec/fiae056
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
助教 番場 大
TEL: 022-217-5713
Email: masaru.bamba.b2(at)tohoku.ac.jp
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(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
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