【開催日時】2023年11月28日(火)15時~16時
【講師】小川 哲史 博士 (理化学研究所 環境資源科学研究センター 学振特別研究員PD)
【会場】ハイブリッド開催
現地:片平キャンパス 生命科学プロジェクト総合研究棟 103会議室
オンライン:下記URLよりご登録ください。
【使用言語】英語
【題目】
How do Orobanchaceae parasitic plants grow their roots toward host roots?
ハマウツボ科寄生植物が宿主に接近する分子メカニズム
ハマウツボ科寄生植物が宿主に接近する分子メカニズム
【要旨】
ハマウツボ科の寄生植物は、宿主植物の根に寄生し栄養や水を奪う。主要な穀物に寄生して収量を大幅に減少させる種もおり、その被害額は年間数十億ドルにも及ぶ。寄生植物の脅威に対する防除策を開発するためには、寄生の分子メカニズムを理解することが不可欠である。宿主への寄生は、宿主に向けて根を伸ばす屈性という過程を経て行われるが、屈性を制御する分子機構は殆ど未解明であった。そこで我々は、宿主の有無に関わらず生育が可能なハマウツボ科寄生植物のコシオガマを用いて屈性の解析を進めた。その結果、コシオガマが宿主由来の情報物質であるストリゴラクトン(SL)に対して屈性を示すことを明らかにした。次に、SLへの屈性は根において植物ホルモンのオーキシンによるシグナル伝達が左右非対称に起こることにより引き起こされること、このシグナル伝達は周囲にアンモニウムイオンが多量に存在すると抑制されることを明らかにした。さらに、SLの認識に関与する受容体を同定した。本セミナーでは、屈性とは別の寄生における過程に関して最近発表した研究成果を併せて紹介する。
問い合わせ先
生命科学研究科 植物発生分野
教授 経塚淳子
junko.kyozuka.e4(at)tohoku.ac.jp