【タイトル】植物の多様化を駆動する送粉者の特異的誘因メカニズムの統合的解明
【日時】2026年1月15日(木)16:00~17:00
【オンサイト】東北大学生命科学研究科講義室
【講師】奥山雄大博士(国立科学博物館筑波実験植物園、筑波実験植物園)
【要旨】
陸上生態系の基盤をなす被子植物の繁栄は、花とその花粉を媒介する昆虫(送粉者)との関係(送粉共生系)に支えられている。送粉共生系はシンプルな植物の種子繁殖メカニズムの一環でありながら、被子植物の多様性を象徴すると言えるほど分化・多様化している。特に、花が特定の昆虫種だけを誘引し、送粉に利用しているという事実は、送粉共生系に昆虫の行動を制御するメカニズムを内包していることを意味しており、その主要な実体として複雑な情報を持ちうる花の香りに着目している。また植物の近縁種の花がしばしば全く異なる送粉者を利用しており、それゆえ関連する花形質、特に香りを大きく変化させている現象は、短期間での劇的な適応進化がどのようなメカニズムで起きるかを解明する上で絶好のモデルとなる。
日本列島で顕著な多様化を遂げた系統群であるユキノシタ科チャルメルソウ属、ウマノスズクサ科カンアオイ属、サトイモ科テンナンショウ属はいずれも種間で総じてゲノム構成が極めて類似しているにも関わらず、花形質に顕著な多様性が見られる点で特筆に値する。そして、この多様性の進化的成因となったのが送粉者との関係であると考えられる。実際に、これらの植物群ではそれぞれの種が限られた送粉者に特異的に送粉されており、しかも近縁種同士が互いに異なる送粉者を利用していることをこれまで明らかにしてきた(Okamoto et al. 2015; Okuyama and Kakishima 2022)。
今回のセミナーでは、チャルメルソウ属、テンナンショウ属、ンアオイ属のそれぞれで送粉者特異性を規定していると考えられる特定の花の香り分子を取り上げ、その生態的機能から遺伝・進化基盤までを一体的に解明することを目指す一連の研究について紹介する。
陸上生態系の基盤をなす被子植物の繁栄は、花とその花粉を媒介する昆虫(送粉者)との関係(送粉共生系)に支えられている。送粉共生系はシンプルな植物の種子繁殖メカニズムの一環でありながら、被子植物の多様性を象徴すると言えるほど分化・多様化している。特に、花が特定の昆虫種だけを誘引し、送粉に利用しているという事実は、送粉共生系に昆虫の行動を制御するメカニズムを内包していることを意味しており、その主要な実体として複雑な情報を持ちうる花の香りに着目している。また植物の近縁種の花がしばしば全く異なる送粉者を利用しており、それゆえ関連する花形質、特に香りを大きく変化させている現象は、短期間での劇的な適応進化がどのようなメカニズムで起きるかを解明する上で絶好のモデルとなる。
日本列島で顕著な多様化を遂げた系統群であるユキノシタ科チャルメルソウ属、ウマノスズクサ科カンアオイ属、サトイモ科テンナンショウ属はいずれも種間で総じてゲノム構成が極めて類似しているにも関わらず、花形質に顕著な多様性が見られる点で特筆に値する。そして、この多様性の進化的成因となったのが送粉者との関係であると考えられる。実際に、これらの植物群ではそれぞれの種が限られた送粉者に特異的に送粉されており、しかも近縁種同士が互いに異なる送粉者を利用していることをこれまで明らかにしてきた(Okamoto et al. 2015; Okuyama and Kakishima 2022)。
今回のセミナーでは、チャルメルソウ属、テンナンショウ属、ンアオイ属のそれぞれで送粉者特異性を規定していると考えられる特定の花の香り分子を取り上げ、その生態的機能から遺伝・進化基盤までを一体的に解明することを目指す一連の研究について紹介する。
関連リンク
HP: https://sites.google.com/site/okuyamanokenkyuupeji/home
サイエンス論文:https://www.science.org/doi/10.1126/science.adu8988
DOI: 10.1126/science.adu8988
サイエンス論文:https://www.science.org/doi/10.1126/science.adu8988
DOI: 10.1126/science.adu8988
問い合わせ
植物発生分野 教授
経塚淳子
junko.kyozuka.e4@tohoku.ac.jp

