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研究

受賞

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齋藤正男教授が平成18年度日本化学会学術賞を受賞

齋藤正男教授が平成18年度日本化学会学術賞を受賞

2007.02.01 09:20

分子生命科学専攻・生体機能分子制御

齋藤正男

 分子生命科学専攻・生体機能分子制御分野の齋藤正男教授が、平成18年度(第24回)日本化学会学術賞(天然物化学・生体関連化学部門)を受賞しました。
学術賞は化学の基礎または応用の各部門において先導的・開拓的な研究業績を挙げた研究者に贈呈される賞で、今回、受賞の対象となった研究は「ヘムオキシゲ
ナーゼによるヘム代謝の分子機構解明」です。
 ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘムを酸化的に分解し、鉄イオン、一酸化炭素(CO)、ビリベルジンに変換する酵素であり、我々にとって必要不可欠なヘム
代謝を担っています。また、COやビリベルジンは細胞内シグナリングや抗酸化作用を持ち、血圧調整・神経細胞保護・細胞死などに深く関与します。このよう
に、HOは生理学的に重要な酵素でありますが、HO酵素反応はヘムによって活性化された酸素が3段階の酸素添加反応によりヘム自身の骨格構造を変化させる
複雑なものであり、その反応機構は未解明でありました。齋藤教授は分光法、低温照射還元法、蛋白質工学、X線結晶構造解析、ヘム合成、反応解析などの研究
手法を巧みに組み合わせた研究を展開し、HO反応機構を原子レベルの分子構造に基づいて解明することに成功しました。
 齋藤教授が複雑なヘムオキシゲナーゼ反応機構解析研究を通して、新規酸素活性種や酵素反応中間体の構造及び反応性の解析などの酸素添加酵素機構解明の鍵になる重要な研究を世界に先駆けて展開していることが高く評価されました。

受賞者一覧については以下のURLを参照ください。
http://www.chemistry.or.jp/prize/winner.html#jyusyo-0

平成17年度、佐々木誠教授の「新規ポリエーテル骨格合成法の開発と天然物全合成への展開」に関する業績での学術賞受賞に続き、2年連続で生命科学研究科の教授が日本化学会学術賞を受賞しました。