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研究

受賞

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齋藤特任助教が、「平成25年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞

齋藤特任助教が、「平成25年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞

2013.04.09 10:05

 生命機能科学専攻・器官形成分野の齋藤大介特任助教が、「自律神経系の形成機構の研究」で、平成25年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。
 自律神経系は動物の体温、呼吸、消化など、生命活動の根幹を制御する非常に重要な神経系です。自律神経システムの重要性は我々の社会で広く認識されているにも関わらず、じつは生理機能の詳細についてはいまだ明らかにされておりません。「自律神経失調症」を始めとする自律神経関連疾患の発病機序についても、同様のことが言えます。
 自律神経システムを理解する鍵の1つは、その成り立ちを明らかにすることにあると齋藤特任助教は考えました。脊椎動物が発生する際、自律神経(交感神経、副交感神経、副腎髄質)は、神経堤細胞と呼ばれる前駆細胞から形成されることが知られておりました。神経堤細胞は、うまれた場所からそれぞれの組織が作られる場所まで体内を長距離移動し、それぞれの移動先で適切に分化してゆきます。しかしながら、神経堤細胞がどうやって移動先を認識するのか、さらには移動先で適切な細胞に分化できるのかについては、全く分かっておりませんでした。齋藤助教はまず、この神経堤細胞の移動をガイドする分子機構、および交感神経と副腎髄質の分化制御機構について明らかにしました。
 前所属の奈良先端科学技術大学院大学時代から高橋淑子教授(現・京都大学)と共に扱ってきたこの現象は、その動作原理が長きにわたり未解明とされてきた課題でした。さらに、これらの現象に血管が非常に重要な役割を果たしているといった新規概念の提唱に至ったこと、独自の実験系を用いて課題を明らかにしたことが、Scienceを始めとするトップジャーナルでの研究成果発表といった評価に繋がり、そして本賞の受賞に至りました。

文部科学省の発表は下記URLからごらんください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/04/1332785.htm

 (問い合わせ先)  
東北大学大学院生命科学研究科
齋藤大介 助教(研究特任)
電話番号:022-795-6691