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研究

研究成果

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枝分かれ調節ホルモンの新しい分子のかたちを発見

枝分かれ調節ホルモンの新しい分子のかたちを発見

2014.11.25 09:49

活性分子動態分野

山口 信次郎

 植物は自身の形づくりのために、体内で「植物ホルモン」とよばれる化学物質を作ります。東北大学、宇都宮大学、大阪府立大学、静岡大学による共同研究グループは、枝分かれ(脇芽の成長)を調節する植物ホルモンであるストリゴラクトンが作られる経路の一つを解明しました。さらに、枝分かれを抑制する新たな物質を発見しました。植物の枝分かれは、最終的な花や種子の数を決める重要な因子です。したがって、本成果は農作物やバイオマスなどの増収を目指した応用発展も期待されます。
 本成果は、米国科学アカデミー紀要『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)』にオンライン版が掲載されました。

【ポイント】

  • ストリゴラクトン生合成経路で働く酵素の機能を解明
  • 酵素生成物の類縁体に枝分かれ抑制活性があることを発見
  • 農作物やバイオマスなどの増収研究への貢献が期待される

【今後、どのように発展していくか】
 植物の枝分かれは、最終的な花や種子の数を決める重要な因子です。したがって、枝分かれを制御することは、作物の生産性や栽培作業の効率化に繋がり、将来的には農作物やバイオマスなどの増収を目指した応用発展も期待されます。

ストリゴラクトンのはたらき :①植物体内でつくられたストリゴラクトンは自身の枝分かれ(脇芽の成長)を抑えるのに使われます。また、②土壌から吸収した栄養(主にリン酸)を植物に分け与えてくれる生物である菌根菌は、植物の根から分泌されたストリゴラクトンを認識して菌糸を枝分かれさせて、共生を始めます。一方で、③根寄生雑草(ストライガやオロバンキなど)は、ストリゴラクトンを認識して種子を発芽させ、根に寄生して栄養を奪います。

論文
Satoko Abe, Aika Sado, Kai Tanaka, Takaya Kisugi, Kei Asami, Saeko Ota, Hyun Il Kim, Kaori Yoneyama, Xiaonan Xie, Toshiyuki Ohnishi, Yoshiya Seto, Shinjiro Yamaguchi, Kohki Akiyama, Koichi Yoneyama, Takahito Nomura "Carlactone is converted to
carlactonoic acid by MAX1 in Arabidopsis and its methyl ester can directly interact with AtD14 in vitro" Proceedings of the National Academy of Sciences of the United
States of America

詳細(プレスリリース本文) 

(研究に関すること)
東北大学大学院分子生命科学専攻 活性分子動態分野
担当 山口 信次郎
E-mail shinjiro*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか
E-mail lifsci-pr*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

shinjiro*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)