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研究

研究成果

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タケ、北日本で分布拡大のおそれ~里山管理の脅威になっているモウソウチクとマダケ(産業管理外来種)の生育に適した環境は温暖化で拡大し、最大500km 北上し稚内に到達~

タケ、北日本で分布拡大のおそれ~里山管理の脅威になっているモウソウチクとマダケ(産業管理外来種)の生育に適した環境は温暖化で拡大し、最大500km 北上し稚内に到達~

2017.10.18 09:00

発表のポイント

  • 里山における生態系・生物多様性への脅威となっているモウソウチクとマダケの生育に適した環境が、温暖化の進行と共に拡大することが気候モデルで予測された。
  • パリ協定に準じて温暖化を1.5℃以下に抑えると、4℃昇温した場合に比べてタケの生育に適した環境の増加が緩やかだった。こうした影響評価は、現在とりまとめが進められているIPCC 1.5℃特別報告書などに貢献することが期待される。
  • 気候変動・温暖化を抑制する緩和策と同時に、外来種予防三原則に基づいた生態系管理などの「適応策」を進めることも重要。 
 

概要 

 長野県環境保全研究所、東北大学、森林総合研究所、気象庁気象研究所、筑波大学、東京大学、国立環境研究所及び総合地球環境学研究所の研究グループは、産業管理外来種として里山管理の脅威となっているモウソウチクとマダケの生育に適した環境が温暖化によってどれくらい拡大するか予測しました。本研究は、竹林の分布を、広域の現地調査に基づいて予測すると共に、気候変動の影響を推定した日本で初めての報告です。
  本研究結果は、10月18日にEcology and Evolution誌(電子版)に掲載されます。
 本研究は、文部科学省気候変動リスク情報創生プログラム、気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)、環境省環境研究総合推進費(S-15-2)及び日本学術振興会科研費(17H03835)の支援を受けて行われました。
 
 
図1.里山の雑木林に侵入していく竹林(神奈川県逗子市)(提供:東北大学/総合地球環境学研究所教授 中静透氏)
 
 
モウソウチクとマダケの生育に適した環境が拡大する動画(東京大学 日比野研志氏提供)
 
 
【論文の詳細】
 
表題:Detecting latitudinal and altitudinal expansion of invasive bamboo Phyllostachys edulis and P. bambusoides (Poaceae) in Japan to project potential habitats under 1.5°C–4.0°C global warming
 
著者:Takano KT, Hibino K, Numata A, Oguro M, Aiba M, Shiogama H, Takayabu I, Nakashizuka T.
 
雑誌:Ecology and Evolution
 
 
 
 

問い合わせ先

(研究に関すること)
長野県環境保全研究所 自然環境部
高野 宏平(たかの こうへい)
電話番号:026-239-1031
Eメール:kanken-shizen*nagano.pref.lg.jp(*を@に置き換えてください)
 
(タケの生態・適応策に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
総合地球環境学研究所
中静 透(なかしずか とおる)
Eメール:toron*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
 
(生態系モデリングに関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
饗庭 正寛(あいば まさひろ)
電話番号:022-795-6696
Eメール:aiba*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)