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研究

研究成果

研究

睡眠―覚醒に伴う、脳内エネルギー変動を発見 ~レム睡眠中に神経の細胞内エネルギーが大きく低下する~

睡眠―覚醒に伴う、脳内エネルギー変動を発見 ~レム睡眠中に神経の細胞内エネルギーが大きく低下する~

2020.09.07 18:00

概要

 公益財団法人東京都医学総合研究所・睡眠プロジェクトの夏堀晃世主席研究員と本多真副参事研究員は、生きたマウスの脳内エネルギー計測に成功し、動物の睡眠―覚醒に伴い、神経の細胞内エネルギーが大脳皮質の全域で変動していることを発見しました。神経の細胞内エネルギーは動物の覚醒時に増加し、ノンレム睡眠中に低下、そしてレム睡眠中に特に大きく低下していました。本研究は、生きた動物の脳内で“細胞のエネルギーレベルが常に一定に保たれる”という従来の予想を覆し、脳のエネルギー調節機構が動物の睡眠覚醒に合わせ、神経細胞内エネルギーを積極的に変動させている可能性を新たに示しました。 本研究は、東北大学の常松友美助教および松井広教授、東北工業大学の辛島彰洋准教授、Max-Planck-InstituteのKlaus-Armin Nave教授、慶應義塾大学の田中謙二准教授らのグループと共同で行いました。
 この研究成果は、2020年9月7日(月曜日)10時(英国時間)に英国科学誌『Communications Biology』にオンライン掲載されます。
 
 
 
図.  神経細胞内ATP濃度は、脳のエネルギー合成活動と消費活動のバランスを示す。レム睡眠中、脳のエネルギー合成活動(脳血流量)が増加する一方で神経細胞内ATP濃度が大きく低下したことから、神経細胞のエネルギー消費活動が大きく増加していることが予想される。
 
 
 
【論文名】
” Intracellular ATP levels in mouse cortical excitatory neurons varies with sleep-wake states.”
(皮質興奮性神経の細胞内ATPレベルは睡眠覚醒に伴い変動する)
 
【発表雑誌】
Communications Biology
 
 
 
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【問い合わせ先】
報道に関すること
東北大学大学院生命科学研究科広報室
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