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「仙台湾の砂浜生物ポケットブック」を発刊 砂浜海岸に生息する生物に親しむための自然ガイドブックを無料配布

「仙台湾の砂浜生物ポケットブック」を発刊 砂浜海岸に生息する生物に親しむための自然ガイドブックを無料配布

2023.04.18 11:00

発表のポイント

  • 仙台湾は砂浜海岸に囲まれていますが、東日本大震災以後は訪れる人が少なくなりました。
  • 仙台湾の砂浜海岸に海を栄養源としたたくさんの生物が生息していることを明らかにしました。
  • この仙台湾の自然豊かな砂浜海岸に足を運び親しんでもらうため、海浜植物や砂浜動物を紹介する一般向けの無料小冊子(ポケットブック)を作成しました。
  • 荒浜の海辺の図書館と閖上の名取トレイルセンターにて無料配布します。

概要

 100万都市仙台には砂浜海岸がたくさんありますが、2011年の東日本大震災以後は、防潮堤などの工事のため、海岸に訪れる人が少なくなりました。砂浜海岸は、釣り、サーフィン、海水浴の場だけではなく、様々な生物の生活場所です。一方で、海岸には沢山のゴミなどが漂着します。
 東北大学大学院生命科学研究科水圏生態分野の占部城太郎教授らの研究チームは、総合地球環境研究所や民間企業と共同で砂浜海岸に生息する生物やゴミの漂着量などを調べ、その成果の一部を「仙台湾の砂浜生物ポケットブック」という一般向けの小冊子にまとめました。このポケットブックは、仙台湾の砂浜海岸に生息する生物や漂着物を紹介するとともに、震災前の2003年に市民団体が作成した、福島県新地から雄勝町に至る仙台湾沿岸の自然を俯瞰する、仙台湾沿岸海岸絵巻も収録しています。仙台湾の砂浜海岸を訪ね、自然を観察したり散歩したりする際のガイドブックとして、1000部限定で無料配布いたします。
 
図1. 仙台湾の砂浜生物ポケットブックには、砂浜海岸に生息している植物や動物の写真や解説の他、漂着物なども紹介しています。
 
【謝辞】
「仙台湾の砂浜生物ポケットブック」は名取ハマボウフウの会の協力と株式会社復建技術コンサルタントの研究助成により発行されました。またポケットブックの基礎となった砂浜生態系研究は、住友財団環境研究助成及び総合地球環境研究所同位体環境学共同研究助成により行われました。
 
【参考論文】
「仙台湾の砂浜生物ポケットブック」の基礎となった研究
○タイトル:砂浜生態系における栄養基盤としての海起源と陸起源有機物の相対的重要性
著者:塩澤直人・柚原剛・由水千景・冨樫博幸・陀安一郎・占部城太郎
*責任著者:東北大学大学院生命科学研究科 研究員 柚原剛
掲載誌:応用生態工学, 25(2) 115-128 (2023)

○タイトル:UAV(ドローン)を用いた調査により明らかとなった仙台湾南部海岸における漂着物の時空間動態について
著者:鷲田なぎさ・佐藤高広・鈴木碩通・占部城太郎
*責任著者:株式会社復建技術コンサルタント 環境部 部長 佐藤高広
掲載誌:応用生態工学, 25(2) 129-140 (2023)

 
 
【関連リンク】
 
 
【問い合わせ先】
(研究と冊子に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
教授 占部 城太郎
TEL: 022-795-6681
E-mail: urabe(at)tohoku.ac.jp
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
広報室 高橋 さやか
TEL: 022-217-6193
E-mail: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
 
 
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