GO TOP

研究

研究成果

研究

自然保護、説明は短い方が効果的 非協力層は動画活用へ

自然保護、説明は短い方が効果的 非協力層は動画活用へ

2023.06.09 14:00
【発表のポイント】
  • 持続可能な社会に向け一般市民の協力を得るには、効果的な情報提供が重要です。
  • 高山植物の保護を題材として、全国の20代から60代までの約8千人を対象にインターネットアンケート調査を行った結果、高山植物の保全のために寄付してもよいと思う金額は
    →    もともと保全に協力的だった人の場合は短い情報を提供したときに増加し、
    →    もともと非協力的だった人の場合は動画の情報を提供したときに最も増加しました。
  • これは、非協力的な人には、感情に訴えかけやすい動画を用いた説明が効果的であること、一度協力的になってくれた人には短い説明の方が効果的であることを示唆します。
  • この成果は、マーケティング分野の伝統的な経験則を、統計的なデータとして支持するもので、あらゆる分野(SDGsに向けた行動変容の呼びかけや、登山道整備やライチョウ保全のためのクラウドファンディング等)で活用されることが期待されます。
 
【概要】
茨城大学、長野県環境保全研究所、立正大学、森林総合研究所、九州大学、東北大学(研究当時)の研究グループは、高山植物の経済評価における情報提供の効果を世界で初めて検出しました。
この成果は、Journal of Environmental Management(電子版)に6月8日に掲載されました。
本研究は、文部科学省気候変動リスク情報創生プログラム領域テーマ「課題対応型の精密な影響評価」JPMXD0712103606(研究代表機関:京都大学)、環境再生保全機構の環境研究総合推進費JPMEERF20192007(研究代表機関:長野県環境保全研究所)及びJPMEERF20S11830(研究代表機関:茨城大学)の支援を受けて行われました。 
 
 
論文情報
Effects of information provision on willingness to pay for conservation of alpine plants in Japan
[日本における高山植物の保全に対する情報提供が支払意思に及ぼす影響]
著者:今村航平*(茨城大学 学術振興研究員、元東北大学大学院生命科学研究科)、髙野(竹中)宏平*(長野県環境保全研究所 研究員、元東北大学大学院生命科学研究科)、吉田友美(立正大学 准教授)、中静透(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 理事長・森林総合研究所所長、元東北大学大学院生命科学研究科)、馬奈木俊介(九州大学大学院工学研究院 主幹教授)]
*共同第一著者兼共同責任著者
雑誌:Journal of Environmental Management
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jenvman.2023.118175
 
 
関連リンク