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魚類ヒレの多様性を生む新メカニズムを解明 棘条(きょくじょう)の進化は棒状コラーゲンからの解放が鍵だった

魚類ヒレの多様性を生む新メカニズムを解明 棘条(きょくじょう)の進化は棒状コラーゲンからの解放が鍵だった

2026.03.31 11:00

【発表のポイント】

  • 魚類のヒレを支える骨の一つである「棘条(きょくじょう)」の形成過程の詳細を世界で初めて細胞・分子レベルで解明。
  • 通常の「棘条」は棒状であるが、コバンザメの吸盤やアンコウの釣り竿といった驚くほど多様に変形したものも知られている。
  • 棘条」の形成時には、通常のヒレ骨格で成長をガイドする棒状コラーゲンに依存しないことを、レインボーフィッシュを用いた実験から発見。
  • カワハギの「トゲトゲの棘条」を観察し、棘条では棒状コラーゲンによる制約が存在しないことが、多様な形へ進化できた鍵である可能性を示唆。
 

【概要】

 生き物の骨は、どのようにしてこれほど多様な形に進化してきたのでしょうか。東北大学の宮本知英大学院生と田村宏治教授らは大阪大学・JT生命誌研究館・京都大学・岡山大学・鳥取大学と共同で魚類のヒレにある「棘条(きょくじょう)」と呼ばれる骨格に注目し、その進化のメカニズムに迫りました。棘条はコバンザメの吸盤・アンコウの釣り竿などの驚くほど多様なかたちに進化しています。本研究では、棘条を持つ「レインボーフィッシュ」を新たなモデル生物として解析しました。その結果、通常のヒレ骨格の形成には不可欠な棒状コラーゲンが、棘条の形成には使われていないことを発見しました 。さらにカワハギの「トゲトゲの棘条」を観察した結果、棘条では「棒状コラーゲンを用いないという特徴」により成長方向が制限されず、自由で複雑な形への進化が可能であることが示唆されました。
 本研究の成果は、2026年3月25日付で科学誌Nature Communicationsに掲載されました。
 
図. レインボーフィッシュ(成魚)の骨格: 第一背ヒレの全ての骨と第二背ヒレの一番前の骨が棘条になっており、第二背ヒレの2番目以降の骨が全て軟条になっている。
 
 
【論文情報】
タイトル:Actinotrichia-independent developmental mechanisms of spiny rays facilitate the morphological diversification of Acanthomorpha fish fins
著者:宮本知英*、黒田純平、上村了美、笹野泰之、阿部玄武、安齋賢、船山典子、上坂将弘、田村宏治
*責任著者:東北大学生命科学研究科 大学院生 宮本知英
掲載誌:Nature Communications 
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-026-69180-y
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-026-69180-y
 
 
 
関連リンク
 
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学生命科学研究科 動物発生分野
博士課程後期3年 宮本知英
TEL: 022-795-6691
Email: kazuhide.miyamoto.t5(at)dc.tohoku.ac.jp
 
東北大学生命科学研究科 動物発生分野
教授 田村宏治
TEL: 022-795-3489
Email: tam(at)tohoku.ac.jp
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
 
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