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研究分野

生態発生適応科学専攻 :
個体ダイナミクス講座

研究

田村 宏治

教授 田村 宏治
キャンパス 青葉山 キャンパス
所属研究室 動物発生
連絡先 022-795-3489
E-mail tam@tohoku.ac.jp
ホームページ http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/tamlab/

 世の中は不思議なことで満ち溢れています。ヒトが物事を不思議だと思うのは自分の理解を超えた事実を目前にしたときですが、とにかく生物の世界は不思議なことでいっぱいです。そもそも、でき方(作り方)がわからない。自分で作ったものならどこかに設計図があるはずだから理解も早いが、いかんせん全ての生物はヒトが作ったものではないので生物のでき方をヒトは知らないのです。だからこそ、その設計図(発生過程)を把握することが、生物にまつわる不思議な謎を解き明かす大きなヒントになります。自分が不思議だと思うことをサイエンスとして追求する、そんなことをしたいといつも思っています。

経歴
1993年3月 東北大学理学部大学院博士課程 修了(博士(理学)取得)
1992年-1994年 日本学術振興会特別研究員(DCおよびPD)
1994年-1999年 東北大学大学院理学研究科 助手
1997年-1999年 Postdoctoral Fellow in Salk Institute
1999年-2001年 東北大学大学院理学研究科 助教授
2001年-2007年 東北大学大学院生命科学研究科 助教授
2007年-現在 東北大学大学院生命科学研究科 教授
著書・論文
  1. Kondo M., Sekine T., Miyakoshi T., Kitajima K., Egawa S., Seki R., Abe G., and Tamura K (2018). Flight feather development: its early specialization during embryogenesis. Zoological Letters, 4, 2.
  2. Saito, D., Tamura, K., and Takahashi, Y (2017). Early segregation of the adrenal cortex and gonad in chicken embryos. Development Growth and Differentiation, 59, 593-602.
  3. Matsubara, Y., Hirasawa, T., Egawa, S., Hattori, A., Suganuma, T., Kohara, Y., Nagai, T., Tamara, K., Kuratani, S., Kuroiwa, A., and Suzuki T (2017). Anatomical integration of the sacral-hindlimb unit coordinated by GDF11 underlies variation in hindlimb positioning in tetrapods. Nature Ecology & Evolution, 1, 1392-1399.
  4. Otsuka-Yamaguchi, R., Kawasumi-Kita, A., Kudo, N., Izutsu, Y., Tamura, K., and Yokoyama, H (2017). Developmental Dynamics, 246, 585-597.
  5. Matsubara, H., Saito, D., Abe G., Yokoyama, H., Suzuki, T., and Tamura, K. (2017). Upstream regulation for initiation of restricted Shh expression in the chick limb bud. Developmental Dynamics, 246, 417-430.
  6. Seki, R., Li, C., Fang, Q., Hayashi, S., Egawa, S., Hu, J., Xu, L., Pan, H., Kondo, M., Sato, T., Matsubara, H., Kamiyama, N., Kitajima, K., Saito, D., Liu, Y., Gilbert, M.T.P., Zhou, Q., Xu, X., Shiroishi, T., Irie, N.#, Tamura, K. #, and Zhang, G# (2017). Functional roles of Aves class specific cis-regulatory elements on macroevolution of bird-specific features. Nature Communications, 8, 14229. #Co-corresponding authors.
  7. Abe, G., Lee, S. H., Ing-Jia Li, I. J., Chang C. J., Tamura, K., and Ota, K. G. (2016). Open and closed evolutionary paths for drastic morphological changes, involving serial gene duplication, sub-functionalization, and selection. Scientific Reports, 6, 26838.

他の著書・論文等は研究室ホームページをご覧ください。

所属学会

日本発生生物学会
日本動物学会
日本分子生物学会

担当講義

生物学へのアプローチ、発生生物学 I、組織工学、発生生物学 II、
発生生物学実習、生物学演習、器官構築学特論、細胞生物学合同講義

最近の研究について

*四肢/鰭の発生
手足や鰭ができるというのは、基本的にどういう仕組みなのか?

*四肢/鰭の再生
世の中には手足を再生できる動物がいる。こんな不思議なことはない。

*四肢/鰭の形態の多様性と進化
なぜヒトは5本指で鳥は3本指か?手足はどこから生えてくるか?鰭と手足はどれくらい同じものか?

メッセージ

-プロでありたいと思う-

本当のプロとは、"その道において全ての失敗を経験した人、そしてその失敗を二度としない人"のことだと言われたことがあって、言い得て妙、と思いました。レジ打ちのプロ、建築のプロ、子育てのプロ。世の中には、いろんなプロの人がいます。自分も“その道のプロ”でありたい、いつもそう思っています。
サイエンスとは、理論の構築。正しい内容(真理)とそれを裏付ける理屈を、人を納得させられるだけの証拠をもとに、興味深いストーリーに乗せて人々に伝えること。サイエンスのプロ(学者)になるのは非常に長い道のりですが、それでもサイエンスは楽しいです。おもしろいです。どんだけおもしろいかは、学びに来てください。いくらでも教えましょう。ひとりでも多くの若者が、サイエンスのプロとならんことを共に目指してくれるよう、心から願っています。