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研究分野

分子化学生物学専攻 :
ケミカルバイオロジー講座

研究

石川 稔

教授 石川 稔
キャンパス 片平 キャンパス
所属研究室 活性分子動態
連絡先 022-217-6197
E-mail minoru.ishikawa.e4@tohoku.ac.jp
ホームページ http://www.agri.tohoku.ac.jp/ishikawa-lab/index.html
ORCID:

Researchmap:
 
製薬企業で創薬化学研究を12年間、大学でケミカルバイオロジー研究を11年間行ってきました。健康寿命を延ばすケミカルバイオロジーを展開します。
経歴
1971.7    千葉県生まれ
1990.4    東京工業大学 第3類
1994.3    東京工業大学 生命理工学部 生体分子工学科 卒業
1996.3    東京工業大学大学院 生命理工学研究科 バイオテクノロジー専攻修士課程 修了
1996.4    明治製菓株式会社(現Meiji Seikaファルマ株式会社)入社、
                創薬研究所に配属
2006.12  東京大学 博士(薬学)
2008.7    東京大学 分子細胞生物学研究所 助教
2012.10  東京大学 分子細胞生物学研究所 講師
2013.4    東京大学 分子細胞生物学研究所 准教授
2018.4    東京大学 定量生命科学研究所 准教授(改組)
2019.4    東北大学大学院 生命科学研究科 活性分子動態分野 教授
著書・論文
  1. 神経変性疾患原因タンパク質のケミカルノックダウン
    石川稔*、友重秀介、野村さやか、山下博子、大金賢司
    MEDCHEM NEWS 2018, 28, 88-92.
  2. Novel non-steroidal progesterone receptor (PR) antagonists with a phenanthridinone skeleton
    Yuko Nishiyama, Shuichi Mori, Makoto Makishima, Shinya Fujii, Hiroyuki Kagechika, Yuichi Hashimoto, Minoru Ishikawa*
    ACS Medicinal Chemistry Letters 2018, 9, 641-645.
  3. Discovery of small molecules that induce degradation of huntingtin
    Shusuke Tomoshige, Sayaka Nomura, Kenji Ohgane, Yuichi Hashimoto, Minoru Ishikawa* Angewandte Chemie International Edition 2017, 56, 11530-11533.
  4. Photo-enhanced aqueous solubilization of an azo-compound
    Minoru Ishikawa*, Takuya Ohzono, Takao Yamaguchi, Yasuo Norikane
    Scientific Reports 2017, 7, 6909.
  5. Improving the Water-solubility of Compounds by Molecular Modification to Disrupt Crystal Packing
    Minoru Ishikawa, Yuichi Hashimoto(分担執筆)
    The Practice of Medicinal Chemistry, 4th edition, ed. by Camille Georges Wermuth, David Aldous, Pierre Raboisson and Didier Rognan, Academic Press: Massachusetts, 2015. pp 747-765.
  6. Design, synthesis, and biological evaluation of novel transrepression-selective liver X receptor (LXR) ligands with 5,11-dihydro-5-methyl-11-methylene-6Hdibenz[b,e]azepin-6-one skeleton
    Atsushi Aoyama, Kaori Endo-Umeda, Kenji Kishida, Kenji Ohgane, Tomomi Noguchi-Yachide, Hiroshi Aoyama, Minoru Ishikawa, Hiroyuki Miyachi, Makoto Makishima, Yuichi Hashimoto*
    Journal of Medicinal Chemistry 2012, 55, 7360-7377.
  7. Improvement in aqueous solubility in small molecule drug discovery programs by disruption of molecular planarity and symmetry
    Minoru Ishikawa*, Yuichi Hashimoto
    Journal of Medicinal Chemistry 2011, 54, 1539-1554.
  8. Improvement of water-solubility of biarylcarboxylic acid peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR) δ-selective partial agonists by disruption of molecular planarity/symmetry
    Jun-ichi Kasuga, Minoru Ishikawa*, Mitsuhiro Yonehara, Makoto Makishima, Yuichi Hashimoto, Hiroyuki Miyachi*
    Bioorganic & Medicinal Chemistry 2010, 18, 7164-7173.
  9. Protein Knockdown Using Methyl Bestatin-ligand Hybrid Molecules: Design and Synthesis of Inducers of Ubiquitination-mediated Degradation of Cellular Retinoic Acid-Binding Proteins
    Yukihiro Itoh, Minoru Ishikawa, Mikihiko Naito, Yuichi Hashimoto*
    Journal of the American Chemical Society 2010, 132, 5820-5826.
  10. LXXLL peptide mimetics as inhibitors of the interaction of vitamin D receptor with coactivators
    Yusuke Mita, Kosuke Dodo, Tomomi Noguchi-Yachide, Hiroyuki Miyachi, Makoto Makishima, Yuichi Hashimoto,* Minoru Ishikawa*
    Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2010, 20, 1712-1717.
  11. A Scalable synthesis of MN-447, an antagonist for integrins αvβ3 and αIIbβ3
    Minoru Ishikawa*, Masaki Tsushima, Dai Kubota, Yumiko Yanagisawa, Yukiko Hiraiwa, Yasuo Kojima, Keiichi Ajito, Naomichi Anzai
    Organic Process Research & Development 2008, 12, 596-602.
  12. 急性虚血性疾患への挑戦 -インテグリンαvβ3IIbβ3 デュアル拮抗薬の創製-
    石川稔、味戸慶一(分担執筆)
    創薬支援研究の展望 鳥澤保廣監修, シーエムシー出版: 東京, 2008年 pp 3-13.
 
所属学会
日本薬学会、日本薬学会医薬化学部会、日本ケミカルバイオロジー学会、日本化学会、有機合成化学協会、日本レチノイド研究会、American chemical society
担当講義
生理活性化学(農学部3年)、共通科目C分子化学生物特論(大学院)、先端分子化学生物学特論Iケミカルバイオロジー(大学院)

最近の研究について

低分子医薬と疾患関連タンパク質の関係は、「鍵と鍵穴」に例えられますが、低分子創薬は疾患関連タンパク質の機能制御が主流です。この「鍵と鍵穴創薬」の成功例が多い一方で、薬らしい「鍵」が未発見のタンパク質(結合タンパク質・凝集性タンパク質・タンパク質複合体など)については、疾患原因タンパク質が特定されているにもかかわらず創薬の成功例が少ないのが現状です。この課題を解決すべく、私達は有機化学と分子細胞生物学を両輪として、低分子創薬の新しい手法開発を目指します。同時に、この手法を食品成分のケミカルバイオロジーに展開します。
これまでの研究を二つ紹介します。ひとつは、疾患原因タンパク質の寿命を低分子によって縮める手法を開発しました。この手法を用いて、鍵と鍵穴創薬では対応が難しい、難病である神経変性疾患の原因タンパク質も減少させることを示しました。もう一つの研究は、化合物の体内動態を改善する分子設計です。分子間相互作用を減少させる分子設計により、一見矛盾する物理化学的性質である化合物の水溶性と脂溶性の両方を向上させ得ることを示しました。化合物の経口吸収性改善に適した方法と言えます。
 
 


 

メッセージ

活性分子動態分野は、2019年4月に全スタッフが交代した新しい研究室です。前職では、修士課程・博士課程から研究室を変更した様々な大学・学部出身の大学院生と一緒に研究していました。研究室では、有機合成化学、創薬化学、分子細胞生物学、計算化学などの専門領域を複数活用し、各自が分子設計・有機合成・分子生物や細胞実験を担当します。しかし、これら全ての専門領域に対する研究経験が入学前に揃っている必要はなく、強い興味があれば専門知識や実験技術を得て卒業することができています。ライフサイエンス研究において貴重な有機化学と生物学の二刀流(学際)研究者になりたい人、創薬化学・ケミカルバイオロジー研究者になりたい人、新しい研究を始めたい人、産業応用を直視した研究をしたい人など、一緒に研究しませんか?