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研究分野

生態発生適応科学専攻 :
協力教員

研究

佐野 勝宏

教授 佐野 勝宏
キャンパス 川内 キャンパス
所属研究室 人類進化
連絡先 022-795-7692
E-mail sano.k@tohoku.ac.jp
Researchmap
 
 人類の進化と道具の発達について研究しています。長い人類の進化史から、人類がどのようにして今のようなヒト(ホモ・サピエンス)になったのかを知りたいと考えています。ホモ・サピエンスと旧人や原人の道具の作り方や使い方の違いを知るため、実験痕跡学的手法で研究を進めています。ヨーロッパ、東北アジア、日本の琉球列島の遺跡の発掘調査を行い、出土した遺物や動物骨、人骨の調査研究を形質人類学やゲノム人類学の研究者と協力して行っています。
経歴
2010年 ケルン大学先史・原史学研究所博士課程修了 博士(Dr. phil.)
2010−2013年 東北大学大学院文学研究科 助教
2013−2017年 東京大学総合研究博物館 特任助教
2017−2019年 早稲田大学高等研究所 准教授
2019年—現在  東北大学東北アジア研究センター 教授
 
著書・論文
所属学会
日本旧石器学会
日本人類学会
日本第四紀学会
日本考古学協会
International Union of Prehistoric and Protohistoric Sciences
Association of Archaeological Wear & Residue Analysts
 

最近の研究について

 ユーラシア大陸各地に拡散した新人ホモ・サピエンスが、拡散後に人口増加を果たしていくのに対し、各地にいた旧人ネアンデルタール人やデニソワ人が絶滅していく謎を解明するための調査研究をしています。現在、その要因の一つがホモ・サピエンスの卓越した狩猟技術にあったと考え、投槍器や弓矢のような投擲技術の起源と拡散プロセスについて研究しています。

(1)    ヨーロッパでは、イタリアの中期旧石器時代や後期旧石器時代前葉の遺跡から出土した石器を分析し、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の狩猟技術の違いについて調査研究しています。
 
(2)    モンゴルでは、東ユーラシアに最初に拡散してきたInitial Upper Palaeolithicのホモ・サピエンスの石器の分析を進めています。また、ネアンデルタール人あるいはデニソワ人の遺跡を見つけるべく、フィールド調査を進めています。
   
(3)    日本の琉球列島では、日本列島にいた旧石器時代人の遺伝系統や島嶼間で文化交流を明らかにするため、日本列島最南端の旧石器が出土している徳之島で、コウモリイョー遺跡洞窟の発掘調査を実施しています。
 

メッセージ

 人類の進化史を学ぶことは、ヒトの性質やヒトと地球との関わりの歴史を学ぶことに繋がります。人類の進化史を研究する分野は、考古学の他、人類学、ゲノム学等多岐にわたります。専門分野を突き詰めるこだわりと、幅広い学問への関心が、人類進化史の新たな1頁を開くことに繋がると考えています。自分なりの問題関心を持ち、人類進化史を研究したい学生を歓迎します。