Madihahさん (D3) の博士論文審査会でした

8月6日に本研究室の Madihah Manggabarani さん (D3) の博士論文審査会が行われました。発表は審査員のみオンサイトでオンラインとのハイブリッド開催でした。質疑応答でも楽しい質問をたくさんいただき,今後のさらなる発展が期待されますね。

博士論文のタイトルは”Studies on the effects of genotype, environment, and their interaction (G x E) for phenotypic plasticity of soybean under field conditions” . 3年間にわたり複数の地域で100系統近いダイズを育て,表現型を経時的に観測するという大規模圃場実験を行いました。得られた表現型情報,成育環境情報,および既存のゲノム情報を統合することで,どのような遺伝的背景を持つダイズが,どのような環境でどのくらい育つのかを予測する生育モデルを作成しました。作成したモデルを用いることで,今後の環境変動に応じて適切なダイズ生育プランを作成することが可能になります。

Madihaさん,お疲れさまでした。

日本共生生物学会第4回大会で発表賞をいただきました。

当研究室所属の番場大 (博士研究員) が日本共生生物学会第4回大会 (Symbio2020)で若手発表賞をいただきました。演題は「マメ科植物-根粒菌共生関係における遺伝子型 × 遺伝子型 (G × G) 相互作用に関連する植物遺伝子座にかかる自然選択」,マメ科植物-根粒菌共生関係に関するゲノムワイド関連解析 (Genome-Wide Association Study: GWAS)を行い,特定の根粒菌依存的に生育が変化する表現型に関連する遺伝子座を特定し,その進化過程を推定した研究になります。おめでとうございます。

副賞は寄生虫のはなしという本。生物の共生関係と聞くと協力関係を思い浮かべることが多いですが,寄生関係も広い意味での共生に含まれます。双方に利益がある場合が相利共生,片方に利益がある場合は片利共生。片利共生のうち,片方に明らかな害があるときに寄生と表現されます。しかし,これらの関係は環境などによって変化する非常にあいまいなものです。このようなあいまいだけれど確かに存在する生物間相互作用がどのようにして規定されるのか,とても興味深いものです。

Yusdar君の博論審査会

8月12日にYusdar君の博士論文公開審査会がありました。博士論文のタイトルは”Elucidation of the molecular mechanisms for overwintering phenotype of Lotus japonicus controlled by natural variation.” マメ科植物ミヤコグサが日本に移入した後に北方環境へ適応していく過程を圃場実験やRNA発現解析などから多角的に明らかにしました。

今年の論文審査会はオンライン開催でしたが,学生から教員まで50人ほどが聞きに来てくださいまして,とても盛り上がるものでした。Yusdar君おつかれさまでした。