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海に生息する魚種間にはたらく複雑な関係性を捉えることに成功:ゆるい種間関係と種の多様性が生態系を安定化

海に生息する魚種間にはたらく複雑な関係性を捉えることに成功:ゆるい種間関係と種の多様性が生態系を安定化

2018.02.09 00:00

発表のポイント  

  • 非線形力学理論を利用して開発した新しい数理的データ解析手法により、舞鶴湾での過去12年間の生物個体数変動データを分析
  • 15種の生物の間に働く複雑な関係性が刻々と時間変化する様子を捉えることに成功
  • 生態系の安定化には、出現する生物種が多いことや、種間におよぼしあう影響が緩やかになることが大きな役割を果たしていることを新たに発見
  • 生態系観測によって「自然のバランス」の変化を捉える新技術の開発に繋がると期待
 

概要  

 4月より本研究科、生態発生適応科学専攻・統合生態分野の教授として着任する近藤倫生教授の率いる国際研究グループは舞鶴湾での過去12年間におよぶ魚類とクラゲを含む15種の生物の個体数変動データを解析することで、種間の関係性が時間によって変動する様子を詳細に捉えることに成功しました。また、これに基づいて、種間の関係性と種多様性が生態系安定化の鍵であることを突き止めました。本研究は国際誌Nature電子版に、2月8日に掲載されました。
 
 

 
本研究の対象となった舞鶴湾の15種の生物と、個体数変動データから明らかになった生物種間の14の関係性(種間相互作用)。矢印は影響を与える種から、影響を受ける種に向かって引かれている。色は影響の符号(正負)で、青色(正)は平均的には相手を増やす作用、赤色(負)は平均的には相手を減らす作用を表している。
 
 
プレスリリース内容
 
【論文の詳細】
 
表題:Fluctuating interaction network and time-varying stability of a natural fish community
 
著者:Masayuki Ushio, Chih-hao Hsieh, Reiji Masuda, Ethan R Deyle, Hao Ye, Chun-Wei Chang, George Sugihara, Michio Kondoh
 
雑誌:Nature
 
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