GO TOP

最新情報

最新情報

任意の低重力環境をつくる3軸クリノスタットの開発

任意の低重力環境をつくる3軸クリノスタットの開発

2018.12.21 11:00

発表のポイント

  • 地上で疑似的な無重力環境を発生させる方法として、クリノスタット装置が使用されている。
  • 従来のクリノスタットは2軸の回転によって、地球重力の影響を分散させて無重力状態を模擬するもので、月面や火星など低重力状態を模擬することが困難であった。
  • 今回、3軸目の回転を追加することで、任意の低重力環境を模擬し、また、加速度センサーを用いて正確に重力状態を測定することに成功した。
 

概要

 私達が生活する地球では生物は重力によって様々な影響を受けています。重力が与える影響を調査するために、地上での疑似的な無重力(μG)環境を作り出すクリノスタット装置を使用しています。クリノスタットは微生物などの重力応答の研究に活用されており、2軸の回転機構によって、無重力を再現することが可能となっていました。しかしながら月(地球の1/6G)や火星(地球の1/3G)の環境である低重力環境を任意に再現する方法の確立が課題となっていました。株式会社松尾製作所と東北大学大学院生命科学研究科の東谷篤志教授、日出間純准教授らの研究グループは、任意の低重力環境をつくる3軸クリノスタットの開発を行いました。本装置では3軸の回転機構とすることで、無重力から月や火星の低重力環境、さらには数Gの過重力をかけることに成功しました。
 
 
 

図 開発した3軸クリノスタット

 
 
 
 
 
 
【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学大学院生命科学研究科
担当 東谷 篤志 (ひがしたに あつし)
電話番号: 022-217-5715
E-mail:atsushi.higashitani.e7(at)tohoku.ac.jp
              
 
<報道に関すること>
東北大学大学院生命科学研究科
担当 高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
E-mail: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp