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虫も老化で「リズム感」が低下する

虫も老化で「リズム感」が低下する

2021.04.12 14:00

【発表のポイント】

  • ショウジョウバエは数秒単位の時間の繰り返しを正確に感知し、そのリズムに応じて行動する
  • 無脊椎動物ではこれまでほとんど報告のない発見
  • ハエも老化によりリズムが狂うことを発見

【概要】

 音楽やカラオケ、ダンスなど、「リズム感」を必要とする場面は、身の回りに溢れています。こうした動作には、繰り返しやってくる音や刺激の規則性(リズム)を正確に把握し、それに同調して筋肉を動かすことが求められます。秒単位のリズムに応じた行動は、哺乳類をはじめとする脊椎動物では広く観察されてきましたが、無脊椎動物ではほとんど報告されていませんでした。
 東北大学大学院生命科学研究科の谷本拓教授らの研究グループは、ショウジョウバエは数秒単位の時間を正確に計測する能力を持っており、計測したリズムに応じて行動できることを発見しました。さらに、ヒトなどの哺乳類に見られる加齢に伴う計時能力の低下が、老齢化したハエにおいても生じることがわかりました。 この共通性から、「リズム感」は進化の早い段階で獲得した生物の機能かもしれません。
 本研究は4月1日付で英科学雑誌Journal of Experimental Biologyに掲載されました。
 
 
図:左)コンピュータビジョンを用いたハエの行動分類結果。(右)時間条件付け後のジャンプ行動の時系列変化とその時間—周波数解析結果。
 
【論文題目】
題目:Drosophila acquires seconds-scale rhythmic behavior
著者:Masayoshi Ikarashi and Hiromu Tanimoto
筆頭著者情報:五十嵐 純吉(東北大学生命科学研究科博士課程後期修了)
雑誌:Journal of Experimental Biology
 
【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 谷本 拓 (たにもと ひろむ)
電話番号: 022-217-6223
Eメール: hiromu.tanimoto.d3(at)tohoku.ac.jp
 
(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
Eメール: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp