8月2日から6日にかけて気候変動の海洋への影響を研究するTara Océan財団 日本事務局 一般社団法人タラオセアンジャパン*とJAMBIO(マリンバイオ共同推進機構)**の共同調査チームが、浅虫海洋生物学教育研究センターを訪れました。Tara-JAMBIO共同調査チームは、日本沿岸のプラスチック汚染の度合いと、生物多様性への潜在的な影響を評価することを目的に、昨年度から日本各地の臨海実験所で調査を実施しており、今回の浅虫センター訪問が、北日本の最後の調査となりました。同チームは、浅虫センター協力の下、センターの面する陸奥湾(西湾)でニューストンネットや採泥器を用いたマイクロプラスチック***の調査と、地元の高校生や市民へのアウトリーチ活動を行いました。高校生とのイベントでは、ビーチクリーンとマイクロプラスチックの観察が行われ、高校生たちは海洋中のマイクロプラスチックの発生 源と現状を実践的に学びました。浅虫水族館で行ったパネル展示では、市民に向けてマイクロプラスチックが生まれる経緯とその削減に向けてできる行動について話しました。 日本沿岸は世界でも屈指の高い生物多様性を擁する一方で、プラスチック汚染が深刻な海域でもあります。今回の調査とアウトリーチ活動はマイクロプラスチックの現状についての基礎的な情報の収集とプラスチック汚染を減らすための意識啓発に寄与することが期待されます。
* Tara Océan財団 日本事務局 一社)タラオセアンジャパン
** JAMBIOとは、浅虫センターを含む全国の臨海実験所の連携協力を推進する組織
***直径5㎜以下の微小なプラスチック粒子。洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブの他、化繊でできた衣類やプラスチックゴミの劣化・粉砕などから生じる。
調査へ出発
海底の泥サンプルの処理
ニューストンネットで浮遊するマイクロプラスチックを収集
高校生と一緒にビーチクリーン
浅虫水族館でのパネル展示
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