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研究科概要

研究科長あいさつ

東北大学大学院生命科学研究科長 杉本 亜砂子 

<偶然の出会い>✕<洞察力>=?

東北大学大学院生命科学研究科長
杉本 亜砂子

 
 セレンディピティ(serendipity)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ぴったりくる訳語はないのですが、「思いがけないものの発見」、「何かを探しているときに、それとは別の価値あるものを見つける能力」といった意味です。生命科学研究の歴史のなかでも、革新的な発見には往々にしてセレンディピティが重要な役割を果たしています。たとえば、ペニシリンの発見です。1914年、細菌を培養していたアレクサンダー・フレミングは、たまたま混入して生えてきたカビの周辺で細菌が死滅していることに気がつきました。これがカビの培養液から世界初の抗生物質ペニシリンを発見するきっかけとなったのです。細菌の培養中にカビを混入させてしまった人はいくらでもいたはずですが、フレミングだけがその失敗を大発見につなげることができたのは、彼が深い洞察力をもっていたからに違いありません。すなわち、セレンディピティとは単なる幸運なのではなく、<偶然の出会い>✕<洞察力> なのです。
 
 東北大学大学院生命科学研究科は、2001年に東北大学における生命科学分野の基礎研究および教育の中核拠点として設立されました。近年の生命科学研究の飛躍的な発展と、多様化した社会的・産業的ニーズに対応するために、昨年、「脳生命統御科学」、「生態発生適応科学」、「分子化学生物学」の3つの専攻に再編成し、新たなスタートをきったところです。研究対象は分子・細胞・組織・動植物個体から生物群集まで、研究分野も有機化学・構造生物学・分子生物学・細胞生物学・発生生物学・植物科学・神経科学・認知科学・ゲノム情報学・生態学・進化生物学…と幅広く、生命科学のあらゆる分野を網羅しているといっても過言ではありません。学内の医学・理学・薬学・農学・情報科学系教員とも連携し、応用研究も含めた異分野融合研究を積極的に推進しています。さらに、産業界で活躍できる人材を育成するための専攻横断的な「バイオ人材育成カリキュラム」を設けました。
 
 生命科学研究科の新カリキュラムで最先端の知識と技術を身につけることで、あなたの<洞察力>は磨かれることでしょう。さらに、多彩で個性的な教員や学生と交流し切磋琢磨することで、新発見を生み出す<偶然の出会い>の確率は上がるはずです。生命科学研究科であなたのセレンディピティ=<偶然の出会い>✕<洞察力> を見つけてみませんか?

2019年4月1日