生態系機能 分野
人間の活動が生態系を変化させている
生態系は生物の集団が環境との相互作用のなかで形成され、さまざまな構造と機能をもっています。一方、気候変動や人間活動の影響を受けて、その機能とともに、人間に対しての役割も変化しています。生態系機能分野では陸域・水域を限らず幅広い生態系を対象として、生物多様性や群集構造などの形成や変化のメカニズム、さらにはそうした変化が生態系全体や生態系を利用する人間に与える影響までを幅広く研究しています。
近年、人間活動による土地利用や気候などの大きな変化によって、生物多様性の劣化や生態系の分布変化が大きな問題となっています。そこで、生態系を構成する生物の分布や個体数の増減メカニズム、生物間相互作用、食物網構造や生態系間の相互作用などを基礎的研究として、さらに環境変動が与える影響や生態系サービスと生物多様性の関係を研究しています。主要な研究テーマは、1)各種安定同位体比を用いた生態系の構造と機能、2)気候変化を含む外的要因の変化に対する生物多様性・生態系の応答メカニズム、3)生態系サービスの評価と持続利用の条件などです。