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研究分野

脳生命統御科学専攻 :
細胞ネットワーク講座

研究

細胞小器官疾患学 分野

細胞小器官疾患学 分野

 当研究分野は、2018年4月より発足した新しい分野です。私たちの体を構成している真核細胞は、膜で囲まれた多種多様な細胞小器官(オルガネラ)を有しています。これら細胞小器官は、決してスタンドアローンな存在ではなく、膜小胞輸送や細胞質性分子のやり取りなどを介して密接に連携し、細胞の機能発現に関与しています。そして、重要なことに、細胞小器官の連携の破綻は、個体レベルで様々な疾患の要因となることも明らかになってきました。本分野では、生化学・細胞生物学・分子生物学的手法により、細胞小器官を構成する新規因子(タンパク質・膜脂質)を同定し、細胞小器官の機能および連携を制御する分子メカニズムを明らかにすることを目的としています。これらの研究成果は、細胞小器官の機能や連携の破綻に起因する疾患(がん・自己炎症性疾患など)の治療手段の開発に活用していきます。

特色・実績

 細胞小器官を形作る膜には個性があります。私たちは膜の構成要素の1つであるリン脂質に着目し、これまでに細胞小器官固有のリン脂質の同定およびその機能を明らかにする研究を展開してきました。例えば、リサイクリングエンドソームはホスファチジルセリンというグリセロリン脂質を豊富に発現しており、ホスファチジルセリンに結合するタンパク質を介して膜小胞輸送や細胞成長に関わるシグナル伝達経路(細胞膜→エンドソーム→核)が制御されています。また、ゴルジ体にはスフィンゴミエリンというスフィンゴ脂質が存在し、自然免疫応答シグナルを発生する起点として機能しています。
 近年では、細胞小器官特異的膜リン脂質を利用した細胞小器官局在タンパク質の新規同定法を開発しました。細胞小器官の未知の機能を解明する強力な手法であり、今後の展開が多いに期待されています。
 

教員紹介

教授 田口 友彦
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特任准教授 岸本 拓磨
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助教 朽津 芳彦
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