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研究分野

生態発生適応科学専攻 :
生態ダイナミクス講座

研究

流域生態 分野

流域生態 分野

自然本来の森から川・池・湿地そして海へ至る流域生態系の成り立ちとは 

流域という視点で自然を見ると、物質・生物の動きを通して森・川・海の生態系が密に関連することがわかってくる。森から供給される水、土砂、倒木の動態は川や沿岸の環境を形作る。また、海と川の間を行き来するサケ・アユ・エビ、川と森の間を行き来する水生昆虫・両生類や鳥・コウモリ・哺乳類など、自然の中では実に多くの動物が大移動を繰り広げる。生物どうしの相互作用を通じて、動物の大移動が他の生物にも影響を及ぼす。ダイナミックで多様な流域の自然景観が多様な生物の共存を可能にしている。 
 「風が吹けば桶屋が儲かる」と捉えられがちな、異なる場所で起きる現象の繋がり。流域生態系はまだまだ分からないことばかり。当分野では緻密な野外観察・調査・そして時には大規模な野外操作実験を行うことで、流域生態系の維持形成プロセスを明らかにしていく。 
 今はその多くが失われてしまった自然の地形・水の流れ。その中で地球上の生物は適応進化してきた。環境保護・人と自然との共生を考えていくためにも、その前提として本来の自然の中で生き物はどのように生き、相互作用してきたのかを知ることが役に立つ。東西南北、国内外問わず稀少な自然生態系に出向き、多分野融合のアプローチで大自然を丸ごと科学する。
(左上下)森と川、川と海の交わる場。(中央)流域の生物の大移動とその関わり。(右上中下)北海道、インドネシア、北米での野外調査・実験。

教員紹介

准教授 宇野 裕美
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河川渓畔林生態系における水や土砂や倒木など物理環境のダイナミクス及び季節や時間を通じた動物の大移動がどのように流域生態系を形作っているのかを研究しています。国内外の自然の残った地域で野外調査・実験をベースとした研究を展開しています。
助教 牧野 渡
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  • 「コスモポリタン的」プランクトンの生活史・遺伝的特性と局所適応