植物繁殖生態 分野
植物の繁殖戦略の進化を解明する
植物の進化生態学の研究を行っています。植物の生態的性質がなぜ進化したのかを、「適応的な性質が進化した」という視点から解き明かそうとしています。とくに興味を抱いているのが植物の繁殖戦略の進化です。花を作り、訪花昆虫を誘引し、種子を結実させる。この過程は、植物種間で実に多様に分化しており、さまざまな不思議が詰まっています。その繁殖戦略が適応的な理由は何なのか。なぜ、種によって異なる繁殖戦略を採るのか。こうしたことを、数理モデルを用いた理論的解析と、野外調査による実証的研究により解明しようとしています。
「これから論文を書く若者のために」などの、論文執筆・プレゼンテーションの仕方に関する本もたくさん書いています。論文・プレゼンに関する出張講義も行っています。
教員紹介
准教授 酒井 聡樹
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植物の繁殖戦略の進化
植物の生態的性質がなぜ進化したのか、その究極要因を探ることが目的です。その性質を持つことが、生存や繁殖において有利 であったという視点から、その性質が進化した理由を見出そうとしています。研究手法は、野外調査・理論的解析が中心です。私自身および研究室の学生の最近 の研究テーマは以下の通りです。
- 種子生産における、種子の大きさと数のトレードオフの形の解析
- 植物における進化的に安定な性投資
- マルハナバチの訪花行動の解析
- 花序内における性投資の変異
- 異型花柱性から雌雄異株性への進化
- 花の形の進化
- 雄性先熟植物における、集団の性比に依存した性投資
- ヤマユリにおける花の香りの適応的意義
- フキの性表現の多様性の解析
- 装飾花の適応的意義
- 花や種子への食害が、植物の繁殖投資に及ぼす影響
- 花序を付ける植物における蜜分泌戦略